金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

99:伊藤比呂美 『あのころ、先生がいた。』

2010-06-14 23:43:20 | 10 本の感想
伊藤比呂美『あのころ、先生がいた。』 (よりみちパン!セ)
★★★☆☆

著者は詩人。
小学校から高校までに出会った先生たちとの思い出を語る。
おもしろかったりかっこよかったり尊敬できたり、
そんな先生じゃなくても、出会ったことでなにかしら
子どもに良い影響を与えることもあるんだなあ……と
思える一冊。
逆に出会っただけで悪い影響を与えることもあるんだろうけどね。

文字量が少ないのもあるけれど、リズムのよい文章で
さらさら~っと読めてしまう。
目からウロコ!みたいな新鮮な驚きはないのだけど、
中学・高校時代の空気みたいなものを
うまくいい表しているなあ~と感じるところも。
ほかの著作も読んでみたくなった。
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98:中島義道 『私の嫌いな10の人びと』

2010-06-14 13:58:52 | 10 本の感想
中島義道『私の嫌いな10の人びと』 (新潮文庫)
★★★★☆

単行本の帯の文句は、
『「いい人」の鈍感さが我慢できない』。
笑顔の絶えない人、常に感謝の気持ちを忘れない人、
みんなの喜ぶ顔が見たい人、いつも前向きに生きている人…etc
世間で一般に好ましいと思われる「いい人」を、
「戦う哲学者」中島義道がばっさりと斬る!
 
これまでにこの人の著作は仕事で何冊か読んでいるのだけど、
本当におもしろいなあ。
絵にかいたような変人、偏屈学者!
ほとばしる怒りのエネルギー!
それでいて中原中也の詩に涙したり
V6の岡田くんの美貌をほめたたえたりと
チャーミングな一面もあり、ユーモアも忘れない。
ほかの先生が書いた「はなむけの言葉」の文末にすべて
「どうせ死んでしまうのですが」をつけるという修正に
大爆笑。
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