金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

24:エミリー・ブロンテ 『嵐が丘〈上〉』

2012-03-01 18:17:34 | 12 本の感想
エミリー・プロンテ『嵐が丘〈上〉』 (光文社古典新訳文庫)
★★★★☆

まだ上巻しか読んでいないので、
14章まで読んだ時点での感想。

ヒースクリフは最初からそういうキャラクターとして
書かれているから別にいいんだけど……
キャサリン、性格悪すぎじゃないか?
「ヒースクリフのことは好きだけど、
彼と結婚するのは自分をおとしめること」
「私がエドガーと結婚すれば、ヒースクリフの出世も
 助けてあげられるし」
とか自己正当化して結婚したあげく、ヒースクリフと再会し、
彼と親密になっているのをダンナにとがめられれば
「わたしにとって彼は大切な人なのに、それを理解してくれないなんて!」
と罵り、都合が悪くなると
「わたしなんか死ねばいいのよ……」
と断食したり精神病の発作を起こしたり。
もうほんと、近くにいたら発狂しそうな鬱陶しさ!
この性格の悪さをフォローする美点が少しでもあれば
「小悪魔」で片付けられるが、それがないんである。
彼女の魅力がさっぱり理解できないので、
善良な旦那はともかく、ヒースクリフが異常な執着で
彼女のストーカーと化している理由もよくわからないのであった。

訳は小野寺健。
翻訳ものの不自然さがまったくなく、かなり読みやすい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする