金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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91:まはら三桃 『鉄のしぶきがはねる』

2012-08-06 20:56:00 | 12 本の感想
まはら三桃『鉄のしぶきがはねる』(講談社)
★★★★☆

工業高校機械科に通う三郷心。
クラスに唯一の女子である心は、祖父の会社がつぶれた経緯が原因で、
裏切らず盗まれないコンピューターによるプログラミングに
打ち込んでいたが、ある日教師に呼び出され、
「もの研」(ものづくり研究部)の手伝いをすることになる。
結局、遠ざけようとしていた旋盤の魅力に惹かれる気持ちを抑えられず、
心は「もの研」に入り、「高校生ものづくりコンテスト」を目指すことになる。

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『たまごを持つように』にはイマイチ入り込めなかったけど、
これはおもしろかった。
縁もなく、興味もなかった世界なのに、
引き込まれて一気に読了。
旋盤による作業の魅力がちゃんと伝わってきた。

しかし、題材がちょっと変わっていて、
キャラクターもいい味出しているのに、
登場人物にまつわるエピソードが少なく、
あっさりしすぎていて、もったいないなあ……。
「もの研」メンバーの〈悪事〉も、祖父の会社の倒産の後日談も、
盛り上げようと思ったらもっと盛り上げられるような気がするんだけど。
恋の描き方も、にやにやさせられたものの、
前振りが少なかったので最初は「えっ、いきなり恋?」って感じだった。
先輩は、後輩に恋話とかしちゃうキャラなのか。


コメント
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