辻村深月『かがみの孤城 上』
★★★★☆
【Amazonの内容紹介】
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、
ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。
そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。
なぜこの7人が、なぜこの場所に――
すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
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ああ~
うまくいかない学校生活の息詰まるような感じ、
足元が崩れていくような不安や孤独感、
学校へ行っているべき時間帯に家で時が過ぎるのを待っている時の
寄る辺なさ。
実際に自分が体験していなくても、
痛いくらいにヒリヒリと 感じられる。
デビュー作では、メンバー全員のそれぞれの視点で
描いていて、とんでもなく長くなっていたが、
今回はあくまでも「こころ」の視点で
それぞれの事情が解き明かされていく形をとっている。
喜多嶋先生がこのファンタジー現象にかかわる
重要な役割を担っているような気がするがどうだろう。