金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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114:永井路子『岩倉具視 言葉の皮を剥きながら』

2022-05-26 13:33:51 | 22 本の感想
永井路子『岩倉具視 言葉の皮を剥きながら』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

明治維新の立役者の一人、岩倉具視。
下級公家に生まれ、クーデターの画策などで
幾度となく追放されながら、
いかにして彼は権力の中枢までのぼりつめたのか。
本作の構想を長年温めてきた著者が、
卓越した分析力と溢れる好奇心で史料と対峙。
「尊王攘夷」や「佐幕」といった言葉を剥きながら、
新たな岩倉具視像を立ち上げることに成功した
永井文学の集大成! 

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柳原白蓮が農家に里子に出されていたのは知っていたが、
岩倉具視の息子もそうだし、
岩倉の乳母は農家の妻だったとのこと。
平安~鎌倉期の貴族とか、戦国・江戸期の武家の乳母って、
下級ながらも貴族や役人、武士の妻・娘のイメージ。
公家の乳母が農婦って、かなり意外に思えるのだけども、
この時代だと地位に対する考え方が
だいぶん変わっていたのかな……

明治新政府を主導したメンバーの多くは下級武士で、
明治維新を機に藩主から権力を奪い取ってしまったのであるが、
公家サイドでも下級公家が摂関家から
地位を奪ったのだなあ。
平安時代末期で家格が固定されて、
それが幕末まで続いていたというのもすごい。

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113:いしかわゆき『書く習慣』

2022-05-26 13:24:47 | 22 本の感想
いしかわゆき『書く習慣』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

SNS、ブログ、note、世間に発信できるサービスが増え、
多くの人が文章で自己表現しています。
他人の発信を目にする機会も増え、
「自分もなにか発信してみたいな」と思う人も増えています。
「書く」を仕事にする人も増え、
文章の指南書も数多く出版されています。
でも「書く」ことは、好きじゃないとしんどい。
むしろ「好き」になるからこそ、習慣になり、
自然と上達していきます。
この本では、あなたの「書きたい気持ち」を高め、
「書く」ことを習慣にするためのコツを紹介します。

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内容紹介をちゃんと読んでいなくて、
「ついつい後回しにしがちな仕事としての執筆を
どう習慣づけるか?」
ということのヒントを求めて読み始めてしまった。
ブログやSNSでの発信を中心に扱っているので
求めていたものではないのだけども、
それでも役に立つことが書かれていた。
特に、
「有益かどうかを決めるのは、
自分ではなく、受け取り手」
というところ。
「固有名詞にはその都度説明を入れる」というのも。
仕事で文章を書くとき、
「こんなこと、みんな知ってるし、
 書かなくていいor説明しなくていい」
と思いがちだった。

このブログは、ここ十年くらいは、完全に
「後で仕事で使うことになるかもしれない記録」
「積ん読している漫画を何巻まで読んだかの覚え書き」
「自分が後で内容を思い出すための大河ドラマの感想」
の置き場になっていて(ノートより検索性が高いから)、
人に読んでもらうためのものではなくなっているのだけども、
いつか、読んでもらうことを目的としたブログを書くことになったら、
たいそう役立ちそうな本だった。


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