金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

29:はやみねかおる 『踊る夜光怪人―名探偵夢水清志郎事件ノート』

2006-02-04 14:14:35 | 06 本の感想
はやみねかおる『踊る夜光怪人―名探偵夢水清志郎事件ノート』
(講談社青い鳥文庫)
★★★★☆

レーチ大活躍の巻。
登場人物紹介には「亜衣の彼氏」と書かれているのに、
亜衣がまったくそう捉えておらず、レーチを根っからの馬鹿だと思い
けちょんけちょんにけなしているところが笑える。
レーチのキャラクターはいまいちつかめないのですが、
電話の前で逡巡したり、亜衣の仕打ちに落胆しているのが可愛い。
レーチにラブな様子の千秋の今後も気になるところ。
夜光怪人の謎についてはすっきりきれいに説明がついているなぁと感じました。
今まででいちばん納得のいく書き方だったかも。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

29:高山なおみ 『日々ごはん〈1〉』

2006-02-03 14:13:02 | 06 本の感想
高山なおみ『日々ごはん〈1〉』(アノニマ・スタジオ)
★★★★☆

『カレーライフ』を読んでから「ラフテー食べたい!!」と叫びだすような気持ちで
思っていたのだが、また出てきちゃった。ラフテー。
このエッセイを読むといつもおなかがすく。
「このまろやかな味わいが……」とか書いてあるわけでなく、晩御飯のメニューが
並べてあるだけなのだけど。
シリーズものは一冊だけを単独で見ることが難しい。
一冊めのこれはまだ高山さんがお店に出ていたころの日記で、
お店があったり撮影があったりで忙しそう。
「オフィスのようだ」という言葉が何度も出てくる。
日常の中の高山さんのひらめきや考察みたいなものが好きです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

28:北村薫 『街の灯』

2006-02-02 14:11:20 | 06 本の感想
北村薫『街の灯』(文藝春秋)
★★★★★

久々の北村薫。
「円紫さんと私」シリーズが大好きだったのだけど、
この作者の本を読むのは五年ぶりくらい?
今回の本は昭和初期を舞台に、上流階級の令嬢英子と
お抱え運転手の女性「ベッキーさん」が活躍する日常ミステリー。
おもしろかった!
手をつけるまでに時間がかかったけれど、読み始めてからはあっというま。
北村作品の文章を読むと、いつも「清潔」という言葉を思いうかべる。
女性の描き方がとても同性好みな感じがして、好きで、
作者がまだ覆面作家だったころ、
「この人は絶対に女性だ!」
と思ってました(はずれた……)。
表題作「街の灯」の道子さんの言葉がなぜだか悲しい。
「わたしが会えるのはすべて駄馬なの」というところ。

この「本格ミステリ・マスターズ」というレーベルは、
ほかに恩田陸『夏の名残の薔薇』しか読んでいないのだけど、
いつも巻末に作者インタビューが入ってるのかしら?
ちょっと変わったつくりになってて面白い。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

27:はやみねかおる 『魔女の隠れ里―名探偵夢水清志郎事件ノート』

2006-02-01 14:09:52 | 06 本の感想
はやみねかおる『魔女の隠れ里―名探偵夢水清志郎事件ノート』
(講談社青い鳥文庫)
★★★☆☆

前巻までとはちょっと異なる趣向になっている一冊。
「休憩」を挟んだ中篇の二本立て。
テーマはリンクしているのだけど、表題作「魔女の隠れ里」のほうは
じっくり書き込まれたものを読みたかったなあ……というのが正直なところ。
教授のキャラクターと文章力は本気で心配になります
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

26:村上春樹 『国境の南、太陽の西』

2006-02-01 14:08:49 | 06 本の感想
村上春樹『国境の南、太陽の西』(講談社文庫)
★★★★☆

「一人っ子」であるがゆえの欠落感から同級生の島本さんと心を通い合わせ、
ずっと彼女を特別な存在として気にかけていた主人公の心理、
再会してから恋愛へなだれ込む衝動、といったものはとてもよくわかるのだけど、
やっぱりこの作者の女性の描き方が好きではないのかな。
子どものころの島本さんは好きだけど、大人になってからの彼女に嫌悪感を
感じてしまいました。
彼女のキャラクター、「女」であることのいやな部分を凝縮した感じがする。
前向きな展開になった結末は好きだったので、★4つ。
これも読む時期によって受け取り方が大きく変わる物語だと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする