金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

43:R.P.ファインマン 『ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉』

2012-05-07 09:48:10 | 12 本の感想
R.P.ファインマン『ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉』 (岩波現代文庫)
★★★★☆

わたしは根っからの文系で、なおかつ基本的に物知らずなので
名前も聞いたことがなく、その存在すらまったく知らなかったのだけど、
著者は「1965年にノーベル物理学賞を受賞した天才物理学者」だそう。

上巻だけでも結構な厚みがあるし、なかなか読み始められなかったのだけど、
読み始めたら、あとはもう一気読み。
子供のような無邪気さと、からりとしたユーモアに満ちた逸話集で、
これは本当におもしろかった。
金庫破りの話では、声を上げて笑った。
原爆に関する部分では、やっぱり読みながら無表情になっちゃったけど、
出てくる学者たちの「本当に頭のいい人」同士のやり取りも素敵だし、
自分の専門外のことにも興味を持って積極的に学んでいく姿勢、
業績にならない身近な現象の解明に夢中になってしまう姿には
感心してしまう。
そしてなにより、陰湿なところや自惚れを感じさせない、
ユーモアに満ちた明るい語り口に、前向きな気持ちにさせられる。

僕たちは「できるけどやらないだけのことさ」といつも自分に言い聞かせているわけだが、これは「できない」というのを別な言葉で言っているだけのことなのだ。(p.104)

これは本当にそうだよね。
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NHK大河「平清盛」レビュー18

2012-05-06 20:45:01 | NHK大河「平清盛」レビュー
【第18話のあらすじ】

誰が次の帝になるか、鳥羽派と崇徳派どちらに組するかで騒いでいる中、
清盛は「2人仲良くすればOK」。
相変わらず、空気を読まないジャンプ漫画の主人公in昼ドラ。

そしてなぜか鳥羽院にもジャンプ病が感染。

鳥羽院「反省した! 崇徳に謝る!!!

信西「却下」

**************************************

史実を知っているので、後白河帝即位にはなんの驚きもなかったのだが……
今回いちばんの衝撃はこれ。

雅 仁 が 子 持 ち だ っ た ! ! ! !

いや、年齢的にはまったくおかしくないのだが、
この人、いまだにバリバリの中2病だからね。

ゴタゴタしてる都を離れ、芸事の盛んな美濃青墓宿へやってきた雅仁は、
「今様の師になってくれ! 都に来い!」
と白拍子に転職した祇園女御(熟女を通り越した老婆)をナンパ。
その人、ひいじいさんの奥さんですよ!
乙前って名乗ってても、顔見れば祇園女御だってわかるだろ!
と思ったけど、白河院が生きてたころ、
雅仁はまだ生まれてなかったのかしらね。

まあとにかく、老婆をナンパして断られた雅仁は、
またワライタケ病を発症したあげく、
「俺っていらない子。
 誰もかまってくれなくてさびしいんだよォォォ!!」
と「クールな男が実はさびしんぼう」という萌えキャラ演出をしてみるのだが、
老婆のハートをゲットすることはできたんだろうか。
母性本能はくすぐったみたいだけどね!
まったく子持ちとは思えぬ言動であるよ。


キング・オブ・男色家の頼長は、調子に乗りまくり。
自分をひいきしてくれてた父にまで
「やりすぎだ」
といさめられ、
「愚人め、口出しするな!」
と遅まきながら反抗期に突入。
妻の喪に服している間に近衛帝が崩御してしまったことが
のちのち彼をピンチにするのだが、
「喪に服してるやつは帰れ」
と言われ、
「もっともじゃ。理にかなっておる」
と素直に帰っちゃったところがなんかカワイイ。

<その他いろいろ>

・時忠「フタマタかければいいじゃん」
 いいよいいよー、ぶれないキャラ設定。

・兎丸より強盗っぽい為朝。
 義朝とはまた違った点で、ダメパパの息子とは思えぬ度胸。

・無駄に存在アピールしまくる鬼若。
コメント (2)
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42:荻原規子 『RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女』

2012-05-05 15:00:47 | 12 本の感想
荻原規子『RDG4 レッドデータガール 世界遺産の少女』 (カドカワ銀のさじシリーズ)
★★★★★

夏休みが終わり、熊野から学園に戻った泉水子。
久しぶりに学園に足を踏み入れ、正門で違和感を覚えるが、
生徒会執行部のメンバーとして、学園祭の準備に追われる日々の中、
感じた違和感のことは忘れてしまう。
そんな中、学園祭のための着付け講習会で予想外の事態が起こり、
泉水子はモデルを務めることになってしまう。
髪を解き化粧を施すことで、姫神の出現を招くのではないかと
恐れる深行。
無事に役目を果たした泉水子だが、会の終了後、
制服に着替えて深行の前に現れたのは泉水子ではなかった。

***********************************

今回もおもしろかった!!

姫神とは何者なのか?という問いにかかわった壮大な話よりも、
泉水子にとっては深行がデートしてたということのほうが
問題なのかよ!
……とズッコケたけど、そこが可愛い。
明かされつつある謎とこの先に起こるらしい対決にドキドキしつつも、
二人の恋模様にニヤニヤしてしまう4巻でした。
名前呼び禁止って!

本筋とは外れているのだけど、前巻でちょっと意地悪な印象があった
秋之川さんが
「あなたがそこにいるだけで、生まれてくるものって必ずあるの」
って言ってたのが印象的。

アニメになるらしいね。
ビジュアルイメージが表紙の泉水子しかないので、
心配なような楽しみなような。そわそわしてしまう。
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