金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

100:千早茜『からまる』

2021-04-23 12:12:29 | 21 本の感想
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

地方公務員の武生がアパートの前で
偶然知り合った不思議な女。
休日になるとふらりとやって来て
身体を重ね帰っていくが、
彼女の連絡先も職業も分からない。
ある日、武生は意外な場所で
彼女を目撃してしまう…(第1話「まいまい」)。
妻に浮気をされた中年男、不慮の妊娠に悩む女子短大生、
クラスで問題を起こした少年…。
いまを懸命に生きる7人の男女。
泉鏡花賞作家が複雑にからみ合う人間模様を
美しく艶やかに描いた群像劇。

*************************************

カタツムリやらイソメやら、モチーフになっている
生き物が好きじゃないのもあるけれど、
(みんな生き物にえらく詳しいな!?)
登場人物たちに好感が持てず、
きれいごとじゃない人間関係もしんどくて、
全体としてはnot for me。
でも小学生の男の子を主人公にした第5話の「ほしつぶ」はよかった。
それぞれの章の登場人物がリンクしあっている構成も、
ないならないで何の支障もないけれど、
あるとうれしい。

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99:新井紀子『AIに負けない子どもを育てる』

2021-04-23 11:55:29 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

AIに仕事を奪われない!
読解力アップの実践法

日本中で騒然の書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』、
待望の続編

AIが苦手とする読解力を人間が身につけるには
どうしたらいいのか?

読解力向上のために親、学校、個人ができることを提言
小学校・中学校で実際に行われて成果をあげている
授業・取組みを公開!
大人が読解力を身につける方法も明らかにする

あなたは大丈夫? 
すぐにできる「体験版リーディングスキルテスト」収録

*************************************

仕事で読んだ本。
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を
先に読んでおくべきだったのか。
知らずにこっちから先に読んでしまった。

読解力の定義って難しいね。
たとえば数学における「集合」の概念が理解できないと
意味を理解できない文や、
常識的な認識に基づいてしか理解できない文もあって、
その「集合」や「常識」を知らないために
意味を正確に取れない場合、
読解力が足りないのだ、と言われると釈然としない。
でも、そんなことを言いだしたら、
漢字の読み方や言葉の意味を知らなかったり、
抽象的な概念を理解できなかったりするのも、
読解力と切り離して考えなくてはならなくなるし……。
うーん。

仕事に役立つヒントはたくさんあった。
読解力については、『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』を
読んでから考えよう。

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98:河村恵利『平安怪盗伝 恋の秘めごと』

2021-04-21 00:05:31 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

平安中期、京の都には
己の悪行を悪とも思わぬ輩が横行していた。
そんな怪盗に狙われた貴族の姫君には
隠さねばならない秘密があり…!? 
大人気<平安怪盗伝>シリーズ5編を収録!!

*************************************

一度目は話がすんなり頭に入ってこなかったのだけども、
二度目ですっきり。
時代ロマンシリーズと同じ主人公だけれども、
こちらはしっかり強盗してる。
「羅刹」は廷尉くんと姫様がくっつくと思ってたよ。
そんなあ……! なラスト。

「破え細長」
「仇の風」
「岐路」
「人遣り」
「羅刹」
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97:河村恵利『時代ロマンシリーズ 16 平安怪盗伝』

2021-04-20 23:27:34 | 21 本の感想
★★★★★

【Amazonの内容紹介】

平安時代、京の都は昼夜を分かたず
盗賊どもが横行する恐ろしい町でもあった。
怪盗の話を中心にした平安ものの傑作集!!

*************************************

怪盗か~……とあまり興味をそそられず、
手つかずになっていたのだけど、
読み始めると意外にも
「シリーズ中、いちばん好きかも!?」
と思える巻だった。

スムーズに理解ができて展開も鮮やかで。

「平安怪盗伝 その壱 白波夜話」
「平安怪盗伝 その弐 きつね矢」
「平安怪盗伝 その参 甘露」
「平安怪盗伝 その四 とりべ野」
怪盗の関わった姫君たちの恋

「涼し音」
百夜通い

「野の宮」
在原業平と恬子内親王
業平好きじゃないけど、このお話はよいなあ。
幻想的で切なく美しい。
このエピソードがのちのち中宮定子の産んだ皇子の
即位を阻むのだけども。

久々の瀬尾まいこ。
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大河ドラマ『青天を衝け』#10

2021-04-18 20:58:54 | 大河ドラマ「青天を衝け」
尊王攘夷にかぶれて浮かれている「志士」たちが、
中二病的なブームに乗って騒いでるようにしか
見えないのだけども、
そういう「かぶれ」も全国各地で起これば
国を変えてしまうのだな……。

千代ちゃんが健気すぎて健気すぎて。
栄一ママ、
「器量が悪くても骨の太い嫁に来てほしかった」
って言いだして嫁いびりしはじめるのかと思ったら、
めちゃいい姑さんだった。
安藤信正暗殺は思いとどまらせたものの、
長七郎が結局死にそう。
兄の死で千代ちゃんにストレスかけないで~!!
なんか作劇上の予感でしかないのだけど、
おなかの子、悲しいことになりそうで怖い。
 
栄一は簡単に尊王攘夷思想にかぶれるかと思いきや、
割と理屈で考えて本質を衝くタイプのよう。
これは以前のオカルト騒ぎのときにも描かれていた。
でもちょっとまだ危ういんだよな~。

【その他いろいろ】

・和宮さま「首狩り族の棟梁に嫁ぐなんてイヤッ!」
 マジで日本を首狩り族に分類している国もあるらしいね。
 首取ってたから。

・ついに家康コーナーが消えた!? と思ったら、
 20:20も過ぎてから「こんばんは、徳川家康です」。
 安心したよ。

・聞き分けの良すぎるとっさま、
 「先を見越し、深い考えがあってやってるにちがいない」
 と思って見てたけど、ちょっと怪しくなってきたな……。

・篤姫、「一橋を推すために嫁いできた自分を家定が
 それとわかったうえで慈しんでくれた」というが、
 そんなキャラやったか? 家定。
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91-96:最近読んだ漫画&本

2021-04-16 23:29:18 | 21 本の感想
藤本タツキ『チェンソーマン 10  ・11』

第一部完。
最後の方、もう何が何だかよくわからなくて
ついていけなかったんだけど、それでも
「なんかすごい」と思わせる勢い。
終盤、マキマさんをどうするかって部分、
先にネタバレ見ちゃったので衝撃はなかったんだけど、
事前情報なしで読んでたらトラウマ級だよ。



爵位やら領地やらを持っている人が、
愛憎によって反旗を翻すの、
「そんなことで!?」って思っちゃうんだけど、
結局人を動かすのって感情だよな~。



たまに読み返すと楽しい。



いつも家や身なりをきれいにしてるってすごいことだ。



重い鞄・服がしんどい、とわたしも最近特に感じる。


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90:瀬尾まいこ『傑作はまだ』

2021-04-16 23:06:32 | 21 本の感想
瀬尾まいこ『傑作はまだ
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

2019年本屋大賞受賞作家・瀬尾まいこの最新作
大切な人にあいたくなる、
最高のハートフルストーリー!

引きこもりの作家・加賀野の元へ、
生まれてから一度も会ったことのない
25歳の息子・智が突然訪ねてきた。
戸惑う加賀野だが、「しばらく住ませて」と言う
智に押し切られ、初対面の息子と同居生活を送ることに――。
孤独で世間知らずな父と、
近所付き合いも完璧にこなす健やかすぎる息子、
“血のつながり"しかない二人は家族になれるのか? 
大切な人に会いたくなる、
最高のハートフルストーリー!

*************************************

先輩から借りた本。

久々の瀬尾まいこ。

ひきこもり作家である主人公と息子のやりとりが可笑しく、
何度も吹きだしてしまった。
「実は自分の息子じゃなかった」とか
「難病におかされていてもうすぐ死ぬ」とか、
そういう展開になるんじゃないかと思っていたんだけど、
まぶしいくらいに優しく平和な話だ。
きれいすぎる、優しすぎると、思わなくもないけれど、
その点で批判するのはお門違いというもの。
作中に述べられていたように、ご都合主義に思えるくらい
親切な人は世に多くいる、という話なのだから。
なんだかんだで優しい世界で終わるほうが読後感がよく
わたしも好きなのだと思う。

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70-89:野田サトル『ゴールデンカムイ〈6〉~〈25〉』

2021-04-14 14:01:33 | 21 本の感想
野田サトル『ゴールデンカムイ6~25

めちゃくちゃ長い間積んでいた……!
25巻まで来ても中だるみせず面白いのはすごい。
くどすぎるくらいに変態だらけなのに
そこまでいやな感じがしないのは、
普通の漫画だとまっさきに性的な目を向けられそうな
アシリパさんに、そういう視線を向けないからなのかな。
谷垣にこんな展開が来ようとは。 

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【覚え書き】「よみがえる承久の乱」展

2021-04-14 13:20:11 | おでかけの記

仕事で京都に行かなければならなくなったので、
「チャンスが来た!」とばかりに
京都文化博物館の「よみがえる承久の乱」展へ。
行方不明になっていた承久記絵巻が再発見されて
展示されているとのこと。

場所は烏丸御池の近く、三条通を東へ行ったところ。



文博は以前も仕事で来たのだけど、
こっちの別館?は入ったことなかった。
「承久の乱」展をやってるのは本館だけど、
こっちから入ってしまった。


展示はかなり充実していて、この時代が好きな人なら
楽しめること間違いなし。
「鎌倉vs朝廷」つながりで、
後醍醐天皇に関するコーナーも。
後醍醐天皇は鎌倉幕府を滅ぼすにあたり
後鳥羽院を意識していたとのこと。



スタンプラリーには参加しなかったけど、
文博にあったスタンプは押してきた。

*******
【当日のコース】

京都駅についたとたん、猛烈な空腹を覚えて
イノダコーヒでランチ。
地下鉄烏丸線で「烏丸御池」
徒歩で京都文化博物館へ
地下鉄東西線で「東山」へ
徒歩で「細見美術館」の「日本の色」展

当時は蚕の種類や織物の技術の関係で
衣の絹が非常に薄かったため、
異なる色の衣を重ねたときに生まれる色合いが
楽しまれていた……というのは知っていたのだけど、
資料集だとどうしても紙の上で表現されるので
その色合いはよくわからず。
ここには実際の薄い衣での「重ね」「襲」を
見られる。
ただ、見たかったものは思ったより少な目だった。

徒歩で平安神宮へ。
神苑を見に行くのが今回のミッション。




文博~平安神宮でだいたい五時間くらい。
日帰りだったので急ぎ足だったのだけど、
時間があったら「承久の乱」展は
もう少しじっくり見たかった。
後期には「たまきはる」の展示もあるそうなので、
京都行きのチャンスがあればまた行きたい。
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大河ドラマ『青天を衝け』#9

2021-04-11 21:30:04 | 大河ドラマ「青天を衝け」
桜田門外の変の演出、すごくよかった。
美しい幸福な情景と、狂言と、襲撃現場のシャッフル。
ここ数回で、井伊直弼視点のパートを作ってたのも
効いてたし、
「憎まれごとはこの直弼が甘んじて引き受けましょう」
というセリフも、直虎ファンへの目配せって感じで
キュンしたよ。

この悲劇性も、田舎の百姓、しかも尊王攘夷思想にかぶれて
盛り上がってる栄一たちにとっては
「ろくでもない大老が死んで、ヤッター!」
なのがまた、非情でいい。

高齢になってもあんな小さい子のいる斉昭が
最後まで皇族出身の正室を大切にしてるのもよかった。
(これは史実なんだね)
隠居と謹慎を申し付けられた慶喜が
髭もっさもさになってたのは笑ってしまったけど、
父の死に駆け付けることができず慶喜が泣くシーンも
これまでの親子関係の描き方が効いていた。

【その他いろいろ】
・尊王攘夷思想にかぶれてはしゃぐ栄一たちに対し、
 女たちが冷淡なの、へんにリアリティがある。

・平岡夫妻が出てくるパートだけ、
 いつも「お江戸のコメディ」。

・徳川家茂がちゃんと将軍やろうとしてるの、
「今から泣かせる準備してるな、くそ~っ」
 って思っちゃう。


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