金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯19

2022-05-15 21:03:36 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第19話「果たせぬ凱旋

行家の「お前が言うな!!」感がすごい。
マジで疫病神。
そしてゴッシーの手のひらクルーぶり、
これまでも過去の創作物でさんざん描かれてきたが、
ここまで臆面もないのは、珍しい。
腹黒度が薄くて無邪気ですらある。

今回は頼朝と義経の対立→義経逃避行。
土佐坊の襲撃を、鎌倉からの命ではなく
里の脅かし&行家のそそのかしとして描き、
結果的に義経の離反を決定づけてしまうという脚本。

目の前で正妻と愛人にバトルさせたうえ、
「後は二人で話し合ってくれ、ほどほどにな」
と言って退席してしまう義経、人の心がないぜ……。
都を離れるにあたり、静とは分かれ、里を連れていく理由を
「比企の娘だから人質に」と静には説明してたけど、
里にも人質としての価値はないよね。
このドラマでは河越重頼の「か」の字も出てこないけど、
実の父である秩父党の河越も頼朝は止められないだろうし、
実の父でもない比企はいわずもがな。
なんだかんだといって、こういうとき、
妻と妾の区別はかなりしっかりなされるからなんじゃないか。
いくら愛されていても、やはり身分がものを言うので、
最終的に重んじられるのは正妻なんだよな。

久々に時政パパのいい人ぶりが見られたのは癒やし。

【その他いろいろ】

・「未曾有のことながら」と念押しする九条兼実、
 出番は少ないながらきゃんとキャラクターを踏まえてる。

・子どもに嫌われる頼朝、だよね~って感じ。
 大姫はもちろんのこと、他の我が子にすら
 なつかれてるイメージないわ。

・今回出番はないながらも、着実に範頼の株が上がってる。
 義経の同母兄なのに、あてにされてない全成。
 鎌倉にいるときから、あまり交流なさそうだったもんね。

・文覚、しぶとく出てくるねえ。

・梶原のスタンスがようわからん。
 義経には軍才があっても、自前の手勢はたいしたことないから
 恐るるに足りんと言ったのはわからないでもないけど。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

96-102:最近読んだ漫画

2022-05-10 09:53:26 | 22 本の感想
 深谷かほる『夜廻り猫(1)』

どんな漫画家さんも、やはり回を重ねるごとに
絵も話も見せ方も、うまくなっていくのだなあ……と
初期のころのものを読むと改めてわかる。


 紺吉『絶対BLになる世界 VS 絶対BLになりたくない男(1)』

BLをたしなんでいたら、もっと楽しめたかも。


 浅見理都『イチケイのカラス 1』

おもしろーい!
みちおが気になる……
と思ったら、ドラマ版はみちおを主人公にして
再構成されてるのね。


 河内遙『涙雨とセレナーデ 1・2』

『関根くんの恋』の作者さんか~!
話は特に好きなわけじゃないのだけども、
ヒーローポジションの男性が好みすぎて困る。


鹿子・門馬司 『満州アヘンスクワッド 1・2』

タイトル通り、満州でアヘンを作る話なので
人は殺されまくるし、酷いシーンもいっぱいだし……
と思っていたら、2巻で急にラブコメ要素が入ってきた。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

95:武富智・辻村深月『かがみの孤城 1』

2022-05-09 23:26:20 | 22 本の感想
武富智・辻村深月『かがみの孤城 1』

【Amazonの内容紹介】

学校に居場所をなくし、閉じこもっていた
中学1年生の安西こころの目の前で、
ある日、突然、部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けると、その先にあったのは不思議な城。
こころを含む7人の中学生は、案内人の“オオカミさま”から
「どんな願いでも叶えられる“開かずの部屋”」の鍵を
探すよう告げられる。
本屋大賞第1位の感動作、渾身のコミカライズ!

****************************************

小説版と一緒に貸してもらった 漫画版。
数箇所、これはどういうつもりで描いている表情なんだろうと
疑問を感じるところがあったけれど、絵は可愛いしテンポも良い。
二度目に鏡の中に入る時に武器を持っていたり、
東城さんのお父さんの職業が大学の先生ではなく医者だったり、
こころが理音とオオカミ様に対峙する場面を見かけたり、
という小説版と違う要素がいくつか。
お父さんの職業が変わったということは、
終盤の展開も変わるのかな?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

94:辻村深月『かがみの孤城 下』

2022-05-09 23:18:51 | 22 本の感想
 辻村深月『かがみの孤城 下』
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた
“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。
そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。
なぜこの7人が、なぜこの場所に――
すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
本屋大賞受賞ほか、圧倒的支持を受け堂々8冠のベストセラー。

****************************************

ようやく読み終わった…… 
これまでに読んだ作者さんの著作すべてに
共通する傾向なのだけど、長いよね……

もちろんこれより長い本はたくさんあるけども、
長さがまったく気にならないものもある。
今回は、「内容に比して長い」。
もう少しコンパクトにまとめてくれるとうれしいのだけども。

上巻読了時の予想には、あたったものも、外れたものもあった。
意外な種明かしはあったのだけど、
「そうだったのか!」という驚きが薄いのは、
必然性が薄いからなのかなあ。
「そうであっても、そうでなくても、
たいして変わらない」というか。

ネガティブだった主人公たちが前を向いて生きようと
立ち直る展開は、十分感動的なので、
多くの人に支持されるのは理解できる。
評判が高すぎて、わたしが勝手に
ハードルを上げすぎちゃったんだな。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯18

2022-05-08 21:35:05 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第18話「壇ノ浦で舞った男

逆櫓の争い来たー! と思ったら、
義経、後で梶原に
「私は思ったことをすぐ口に出す、忘れろ」
って言ってる。
謝ってないが、謝ってるつもりなんだよね。
そして、あなたが正しいと答える梶原に
「私のことを一番わかってくれているのはお前だ、平三」。

なになに、どうしちゃったの!?
その後には事前に示し合わせて二人で一芝居うってるし、
このドラマ、二人をどうするつもりなの!?
いまだかつてない関係性に動揺してしまった。

しかし、こんなふうに義経を認め、
崇拝の心さえ抱いているように見えた梶原は、
鎌倉へ帰ると従来のイメージ通りに
義経を陥れるような報告や物言いをするのだった。

ここも「??」だったんだけど、疑問はのちに氷解。
義経の才能を認めているのは本当だけど、
頼朝と義経が並び立たないことはわかっていて、
軍才よりも政治力が必要とされる今後、
天に選ばれるのは頼朝だろう……という判断なのね。
天運というものを重視するキャラ設定はぶれてない。


宗盛の描き方も、意外性があってよかった。
もうずーっと無能なヘタレとして扱われてきた宗盛、
このドラマでは始終一貫して冷静で穏やかなんだよね。
「弟」同士、義経と語り合う場面で
重盛に言及してたことに、ほろり。
腰越で足止めされた義経のために、
頼朝への文を代筆すると申し出て、
そのお礼なのか、義経も親子の対面をさせてあげるし、
心の交流らしきものが描かれていた。
腰越状は義経が書いたのではないと見破られて
頼朝の怒りに油を注ぐことになるのだけど、
宗盛はこれを見越して報復として書いたのかな?
義経や頼朝への恨みを感じる場面はなかったし、
単純に、頼朝の官位なんぞ興味なくて覚えてないし、
一門揃っての栄達を成し遂げてきた平家だから、
あの文言に頼朝が引っかかるとは
思ってなかっただけのような気もするけど。

平六に「くそ真面目なカバ」呼ばわりされてた範頼、
めちゃリーダーの器だと思うよ!
「兵糧ないし、帰ろうぜ!」
と騒ぐ義盛に、腰を低くしてなだめ、
「わかっちゃいるけど……」
と退かせてる。
こんなまともで大丈夫なの?と
心配になっちゃうくらいだよ。
「釣りに行ってくる」っていうの、かわいい。

【その他いろいろ】

・ すっかり無表情になってしまった大姫。
   体を張って笑いを取ろうとした八重さん、滑る。

・これだけめちゃくちゃやってきた義経も、
 帝を抱いての入水にめちゃ驚いて動揺してるの、
 よかった。
 幼い帝を滅び行く一門の道連れにするの、
 義経にすら想像できないことだったんだな。
 (しかし、だれも慌てて引き上げようとしないのは謎)
 
・平家の描写薄いのに、ちゃんと悲しい。
 敵方である坂東武者が悲しがって、手を合わせてることで
 「そこまでのこと」だったとわからせる演出。

・漕ぎ手を丁重に弔ってやれと指示を出したり、
 宗盛に優しくしたり、かつてのちょっとした恩人に
 ちゃんと恩返ししたり、
 「義経にも人の心はあります!!」
 と執拗に描いてるの、ひどいね。
 視聴者を泣かせる気満々じゃん。
 前回までの義経だったら、
 悲劇のヒーローにならなかったでしょ。
 「そら殺されるわ」で終わったはず。

・いつも憂い顔してるだけで、対頼朝においては
 まったく役に立たない小四郎。

・関西弁の静、新鮮。

・りく「(板東には)いまだに全く慣れません」
 時政パパ「えええっ!?!?」
 りく、自分の産んだ男子が北条の跡継ぎになれなければ
 寄る辺ない立場のままなんだもんね……

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

93:辻村深月『かがみの孤城 上』

2022-05-07 14:01:51 | 22 本の感想
 辻村深月『かがみの孤城 上』
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、
ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。
そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。
なぜこの7人が、なぜこの場所に―― 
すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。

****************************************

ああ~
うまくいかない学校生活の息詰まるような感じ、
足元が崩れていくような不安や孤独感、
学校へ行っているべき時間帯に家で時が過ぎるのを待っている時の
寄る辺なさ。
実際に自分が体験していなくても、
痛いくらいにヒリヒリと 感じられる。

デビュー作では、メンバー全員のそれぞれの視点で
描いていて、とんでもなく長くなっていたが、
今回はあくまでも「こころ」の視点で
それぞれの事情が解き明かされていく形をとっている。

喜多嶋先生がこのファンタジー現象にかかわる
重要な役割を担っているような気がするがどうだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

90-92:最近読んだ本

2022-05-04 18:24:18 | 22 本の感想
特に強化月間をもうけていたわけじゃないのだけど、
同じ著者さんが続いてしまった。

 甲斐みのり『アイスの旅』

ご当地アイスの紹介本。
ヘラでバラの形にしたアイス、可愛い。
551蓬莱がアイスを作っていたのは知らなかった。



 甲斐みのり 『くらすたのしみ』

好きなものがたくさんあるっていいなあ。
趣味はそこまで多くはなく、
才能を発揮できる特技も特にないので、
好きなもので自分を満たすことができたら
もっと日々が楽しいかもしれないなーと思う。


 甲斐みのり『たのしいおいしい 京都ごはんとおやつ』

京都が多くの人にとって魅力な街だということに
異論はないんだけど、京都でものを食べて、
「おおお、おいしい~!!」
と感動するような体験、一回もないな。
良くも悪くもブランドが確立していて、
「おいしい!」
よりも
「有名な○○を食べたぞ」
が先行してしまう。
生まれ育った文化圏とのギャップが
大きくないからなのかな。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

89:桜川ヒロ『 主婦やめます!』

2022-05-04 18:12:26 | 22 本の感想
桜川ヒロ『 主婦やめます!』
★★★☆☆3.5

【Amazonの内容紹介】

家事のお困りも、家庭のお悩みも、
家事代行チーム松竹梅にお任せください!

夫の突然のリストラ。子供は育ち盛り。
困った松枝梨沙は、主婦友の奥竹美加子、汐田梅の3人で
家事代行会社を立ち上げる。
舞い込むのは手強いお客様ばかり。
それぞれの事情に寄り添い、無事に仕事をやりきれるのか?
 
****************************************

もう少し家事要素が多いものを期待していたのだけども、
家事代行は、あくまでも主人公たちが
よその家庭の事情に首を突っ込むための舞台設定といった感じ。

資格を取るのが趣味だという主人公のうちの一人の設定が
後々生きていくのが面白い。
個人的にはリアリティラインの設定が
もう少し現実寄りだと好み。
事件を解決する過程で、主人公たちの家庭の問題も
解消されていくストーリーはうまくまとまっていた。
巻を重ねるごとに、主人公たちの掘り下げが進んで
面白くなりそうなのだけど、単巻完結なのかな?


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大河ドラマ「 鎌倉殿の13人」♯17

2022-05-01 21:40:11 | 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」
第17話「助命と宿命

ううう、つらすぎる……
源平合戦が終わる前からこんなにつらいの、
この先耐えられる気がしない……。
序盤の「愉快な北条一家」に戻りたいよ!
でも戻れないんだよ!! 
という回だった。
金剛という息子を得て、自分ひとりの思いだけでは
小四郎が動けなくなり、腹をくくる回。
「私にはここしかない」
「我らはもう、かつての我らではない」
小四郎のセリフが重いね……

義高殺害と一条忠頼誅殺をリンクさせて
一気に処理した脚本は今回もお見事!
大姫にもらった鞠が原因で義高が刀を抜けず、
結果として彼の命を奪ってしまうなんて脚本、
鬼の心がないと書けないでしょ……

上総介も義高も甲斐源氏も、
邪魔だから消しておかなければならない、
というのはわかるんだけども、
「潜在的脅威だから」で殺しちゃうのが
現代人の感覚だと受け入れがたいんだよね。
今回のドラマだと、武田・一条は思い切り
悪いこと考えてたけども。

来週は源平合戦の終了→頼朝vs義経。
内ゲバは続く。

【その他いろいろ】

・今回の「鵯越」云々みたいに、
 近年の研究をふまえてますと示しつつ、
 フィクションはフィクションでいいじゃん!
 というスタンスなの、いいね。

・ 小四郎が金剛をちゃんと可愛いがってて安心した

・工藤祐経、久々に登場。
 曽我の仇討に向けて仕込みもあり。
 そうか、八重さんは伊東の娘だから
 工藤に兄を殺されてるという因縁があるんだな。

・実衣「この人(小四郎)に怒っても……」

・義高が頼朝を許さないし、仇を討つと明言したうえ、
 小四郎に、
「父の思いをわかっていたのに何もしなかった、信じてない」
 と言い放ったの、よかった。
 小四郎、びっくりしてたけど、自覚なかったんか?
 八方美人で甘いことばっかり言って、結局何もできなかった、
 というこれまでの振る舞いのツケを払わされる展開、よかった。

・義経、検非違使になっちゃった!

・巴に妾ではなく「家人になってくれよ」という義盛、
 巴にとっちめられる義盛。
 本日の唯一の癒やし。

・息子への文に「頼朝を敵と思うな」と書く義仲、
 心が清すぎる……!
 こんなに心がきれいだと、蛮族の跋扈する平安末期では
 生きていけないよね。

・範頼「小四郎には居て欲しいな」
 かわいい。

・里が義経と結婚することに。
 そしてそのころ義経は静と出会っているという
 これまた酷い描き方。

・義高の女装、直虎のじゃない??

・安達盛長、御家人たちの心がこれ以上頼朝から離れてはいけないと
 心を砕いているが、もう無理だよ……

・大姫の直訴に泣いちゃった。

・政子「一筆書いていただけますか」「何度も騙されております」
 だよね~!

・藤内さん、マジで何も悪くない。
 理不尽にもほどがあるとばっちり!!

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする