結核というものは、高齢になって体力が低下してくると過去の感染が再燃し発病することが多かったが、救命センターではちょっと患者層が異なっていた。例えば生活状態のよくないホームレスの人が、たまたま何かの疾患で搬入された時に結核合併で見つかることが多かった。また咳がずっと続いている寮生活のタクシーの運転手さんや、また他院で肺炎としてずっと治療中であったが突如喀血して救命センターに紹介搬入された高齢の患者さんもあった。救命センターでは教科書に出ていないような非典型的な症状も多く、最初は「教科書は嘘ばかりかいてある」と誤解していたこともあった。