専門的なことはわからないが、開業医サイドではとにかく検診を受ける人を増やすこと、そして一次サーベイランスでもれなく要精密検査患者を引っ掛けて基幹病院泌尿器科に送ることである。それ以上の事情は開業医は考慮しなくてもいいはずである。ところが前立腺癌の中にはかなり発育が遅い種類のものもあるそうである。今までPSA検査がない時代では前立腺癌になっていても癌の発育より寿命が先にきて癌死としてみつからなかった者もかなりいた可能性がある。それがPSA検査で疑わしきはすべて精密検査にまわり、前述の「ほっといてもよい癌」(講演者の表現のまま)までみつかってくると、その後の長期にわたってフォローすべき患者が相加的に増えることになる。どうも私はそのための人手が足りなくなることを言っているような印象を受けたのである。