吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

学会出張 その4

2014年05月24日 06時07分29秒 | インポート

   医学的な話になるが、大きな外傷や熱傷や大きな手術を受けたあとの数日間は、体の代謝が低下した状態になる。これは大昔の外科教科書にも、この時期は「ショック期」として記載されているほど有名なのである。この時期に栄養を入れても利用されないと言われている。なので水分出納の管理をし、栄養の投与は利尿がつく数日後あたりから考慮するというのが常道なのである。また集中治療の分野では30年以上も前から行われている尿中窒素の測定をするというような話がこの卒後セミナーでなされた。この尿中窒素の排出量をみて必要アミノ酸を算出し、失われた分を投与するのである。すでに30年前から救命センター時代は毎日これを計算し栄養管理をするのが日課だった。だから今回驚いたのは、卒後セミナーで今更これらの方法が講演されるとは思わなかった。もっと新しい栄養管理法が聴けると期待していたのであるがこの分野はまったく進んでいないという印象であった。というか、いかにも新知見という感じで講演されていたのに違和感を覚えたのである。<o:p></o:p>