吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

風聞 その1

2017年02月16日 05時39分47秒 | 日記
 TVやネットでの話題である。水1Lに塩10gとレモン1個を絞って混ぜ、それを20分以内に飲み干すと、下痢が徐々におこって腸内洗浄ができそれがデトックス効果があってとても健康によいのだとか・・・。

 まったくの嘘である。1日の必要塩分摂取量を越えているし、またこれがデトックス効果(この言葉自体も疑わしいものがあるが)もなく、また血圧にもよくない。

 水1Lに10gという濃度は1%溶液である。これはパスタを茹でるときの塩分濃度で結構濃い。熱中症の時に飲用するOS-1でさえも水1Lあたりに塩分は3g程度である。
 しかもこの怪しげな塩分濃度の濃い溶液が腸管に入ると浸透圧が高いので体内から腸管内に水が移動してそれで腸内水分量が増えて下痢するのである。しかし当然その分体液量は減るので脱水を助長する。こんなレジメの溶液がなぜ健康によいのか情報源を確認したいものだ。

 どだい何がどうなると「健康というもの」がよくなるのかその評価の指標はなんなのか?