日本経済新聞 3月25日
長野県安曇野市の特別養護老人ホームで2013年、おやつのドーナツを食べた直後に意識を失い、その後死亡した入居者女性(当時85)の注視などを怠ったとして業務上過失致死罪に問われた准看護師、山口けさえ被告(58)に長野地裁松本支部(野沢晃一裁判長)は25日、求刑通り罰金20万円の有罪判決を言い渡した。
多くの入居者と接する介護現場でおやつの提供にどこまでの注意義務があるかが注目を集め、福祉や医療関係者を中心に、無罪を求めて約45万筆の署名が集まっていた。
検察側は論告で、女性は食べ物を口に詰め込む癖があり、被告が誤嚥の可能性がないかを注視し、おやつも1週間前の形態変更に伴ってゼリー状のものを配膳しなければならなかったと指摘していた。
弁護側は「意識喪失は内因性の疾患が原因だ」と無罪を主張。さらに当時は被告が同じ部屋にいた全介助の男性の食事に携わっており、嚥下障害のない女性の注視義務はないと訴えていた。おやつの形態変更も消化不良の改善が目的で、窒息防止ではないとしていた。
長野県安曇野市の特別養護老人ホームで2013年、おやつのドーナツを食べた直後に意識を失い、その後死亡した入居者女性(当時85)の注視などを怠ったとして業務上過失致死罪に問われた准看護師、山口けさえ被告(58)に長野地裁松本支部(野沢晃一裁判長)は25日、求刑通り罰金20万円の有罪判決を言い渡した。
多くの入居者と接する介護現場でおやつの提供にどこまでの注意義務があるかが注目を集め、福祉や医療関係者を中心に、無罪を求めて約45万筆の署名が集まっていた。
検察側は論告で、女性は食べ物を口に詰め込む癖があり、被告が誤嚥の可能性がないかを注視し、おやつも1週間前の形態変更に伴ってゼリー状のものを配膳しなければならなかったと指摘していた。
弁護側は「意識喪失は内因性の疾患が原因だ」と無罪を主張。さらに当時は被告が同じ部屋にいた全介助の男性の食事に携わっており、嚥下障害のない女性の注視義務はないと訴えていた。おやつの形態変更も消化不良の改善が目的で、窒息防止ではないとしていた。