吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

無罪になった88歳暴走運転手 控訴審で「有罪にしてください」 その3

2020年11月16日 05時48分24秒 | 日記
 かたや「自分は無罪だ。車が壊れたんだ」という事件と、もう一方は「私を有罪にしてくれ」と言う事例ではどのような差があるのか? 後者は薬を服用していた。息子も車の運転を止めていた。まず処方医はこの患者に何と言っていたのか気になる。
 処方医は投与薬剤が「車の運転禁止」とあるならそれをきちんと伝え禁止させる義務がある。
 もし患者が「いやそうおっしゃられても、車がないと自分は生活ができなくなります。日常生活が維持できなくなるのでなんとか運転許可して下さい」などと泣きつかれるとつい情にほだされて「うう・・・、あ、そっそうですか、まあ、じゃあくれぐれも気を付けてくださいね」などと言いがちになる。
 でもこの言葉を医者が言ったならアウトである。加害者側の弁護士は「運転を控えるべき薬と知りつつ加害者に処方し運転を許可した」と医師を責めてこられるのである。
 要は加害者の罪を減じるのが弁護士である。加害者の罪を減じる理由に「医者が許可した」をもってくればいいのである。