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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

衝動買い アルゼンチン・タンゴなど

2012-05-16 15:56:50 | よしなしごと
 久々に衝動買いをしてしまった。
 アルゼンチン・タンゴなどのCD三枚である。

 アルゼンチン・タンゴが好きだ。
 コンチネンタル・タンゴも嫌いではないが、ヨーロッパ色に染められたそれよりも、ワイルドな匂いがプンプンするアルゼンチン・タンゴが好ましい。

       

 かつては、ラジオなどでもそこそこ聴くことができ、紅白でもしばしば歌われたりしたそれだが、どういうわけかここのところすっかりマイナーなジャンルになってしまった。
 むしろ、クラシックの分野で、アストル・ピアソラの「リアルタンゴ」などをマルタ・アルゲリッチやヨーヨー・マの演奏で聴くことはできるが、それもまた、タンゴ特有の「俗性」を削ぎ落したかのようである。
 
 ディスカウントのようなCDの売り場でそれらを見つけ、思わず「聴きたい!」という衝動に駆られ、手が伸びたのもそのせいがある。

 バンドネオンがリズムを刻み、バイオリンがすすり泣き、その間を転がるようなピアノの旋律が行ったり来たりする、そこにしばしば哀愁を帯びた歌声が加わる。
 もともと、ブエノスアイレスの港町にたむろする女たちのセックス・アピールを喚起する音楽、それに合わせて、船員など根無し草の男たちが吸い寄せられる音楽、そこには、恋愛、結婚、家庭、子育て、などといった生産性に基づく男と女との出会いとは全く異なる、デラシネたちの出会いと別れが一夜の火花となって交錯している。
 そしてそれが、アルゼンチン・タンゴの魅力だと思う。

       http://www.youtube.com/watch?v=SO6KmbyB88Q

 買ったCDのうち一枚は、フランシス・カナロ、ファン・ダリエンソやカルロス・ディ・サルリなどの大御所の演奏を集めたアンソロジー(というかごった煮)、そしてあとの二枚は、ピアソラ以降の若き才能と言われるアトス・バッシーシを中心としたもの。「TANGO MANIA」は伝統的なタンゴの曲集で、バッシーシのバンドネオンとイレーネ・ヴィオーニの歌(これがかなりいい)が入り、「TANGO NEGRO」はバッシーシの作曲になる叙情的なネオ・タンゴの曲集。
 
 バッシーシは、実はイタリア人だが、ラテン民族の血のせいか、それなりにパッショネイトな演奏を聴かせる反面、しっとりとした曲やジャジィなものも作っている。

 なんたって三枚合わせて1,500円だから浪費のうちには入るまい。
 それに今日は、一週間前に首周りの手術をした抜糸の日だからその祝いだ。

 

 

コメント (3)
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