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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

キジバト・エレジー あるバーダーとの対話

2014-12-03 17:03:59 | よしなしごと
 写真は、過去、私が撮したキジバトの写真です。最後の4枚は私の家のマサキの樹に巣をかけた時のもので、赤い矢印はそこで孵った二羽のヒナです。


 私の友人の娘さんに、プロのバードウオッチャー(バーダーというのだそうですが)がいらっしゃって、時折、雑誌などにお載せになった記事を読ませていただく機会があるのですが、対象となる鳥の生態や観察にとどまらず、その鳥と人間の歴史的関わりや文学上のエピソードなど多方面からの記述があって、とても面白いのです。
 
 私もひところ、覗きのおっさんと間違えられながら、いっぱしの顔をして質流れの双眼鏡を持ち、鳥を求めて徘徊した事があるのですが、彼女の記事が、そんなノーテンキさとは全く違う、肉体的精神的な努力によって初めて可能であることを知るにつけ、味わって読むべきだと思うようになりました。

          

 その彼女と、ひょんな事でメールのやり取りがありました。
 まずは私のメールです。

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 (前略)携帯メールの着信音にも神経をお使いになるとの由、バーダーならではの臨場感のある話ですね。私のような無神経な人間ではとても務まりそうにありません。

 30日、NHKの総合TV、午後7時半からの「ダーウィンが来た!」で、「本当はスゴい!トビの実力」というのを放映していて興味深く観ました。
 そのトビですが、私の住む都市郊外の半田園地帯では、最近あまり見かけないように思います。かつてはもっと見かけたように思うのですが。

 農薬などの影響で昆虫が減ったり、その連鎖で野ねずみなどの小動物がいなくなったり、あるいは水路のU字溝化に伴い、川としての機能を失い魚も住まなくなったせいかなと勝手に推測しています。
 子供の頃は、大垣郊外の全くの田園地帯で過ごしましたが、そこではよく見かけました。カラスとの空中バトルも見かけたことがああります。

 そういえば昨日、近くの神社の境内で、明らかに片羽に損傷を負ったキジバトを見かけました。
 はじめはじっとうずくまっていたのですが、私が近づくと飛ぶのではなく、その羽を引きずるようにして必死で逃げるのです。しばらく後を追いましたが、かえって追いかけるとキジバトにとって負担になるような気がしたのと、捕らえることができたとしても,その後どうしたら良いのかわからなかったのとで、茂みの中に入り込んだところで諦めました。

 最近は野犬はいないものの、カラスなどの餌食になるのかと思うと自然の摂理とはいえ、なんだか切ない気が致します。
 こんな場合、どうしたらよいのでしょうか。もし捕らえられたらが前提ですが・・・。
 ◯◯さんならどうなさいますか。(後略)

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 以下それへの彼女の返信ですが、私信ですのでかいつまんで内容を紹介します。



 
 トビの番組、彼女も観ていて映像は躍動感に溢れていたこと、添えられた音楽も良かったこと、長年、鳥を観てきた彼女にとってもトビの飛行の巧みさには舌を巻くことなどに触れた後、私のメールにあったキジバトの件へのアドヴァイスは以下のようでした。

 可能性のひとつとしては、キジバトではあまり聞かないが、鳥は(シギやチドリなどでは特に)、近くにヒナがいたりして発見の危険にさらされると、親は自分に敵の興味をひきつけようとして、わざと傷ついたフリをして逃げることがあるからそれかもしれないということでした。
 
 そして、もし傷ついた鳥を見て、放置したら命を落としそうな場合、それを助けたいと思ったら、自治体ごとに設置している、鳥獣保護課の係の人に連絡をとるのがよいこと、傷病鳥を保護する場所があるかも知れないことなどが指摘されていました。

 さらには、「自然にあって治るようなものは、そのままにする方がいいと思います」との指摘も。




 以下はそれに対する私の返信です。

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 やはり、トビの番組はご覧になっていらっしゃいましたね。
 子供の頃から見慣れた鳥ですが、前回書きましたように、最近は見る機会も少なく、たまに見かけると、「オッ、いた!」としばらく空を見上げています。
 番組でも紹介したいましたが、漁港ではたくさん見かけます。何年か前、敦賀の漁港を訪れた際には、スズメかドバトほどの群れがいて、少し怖いほどでした。

 キジバトの件ですが、片羽(左)が明らかに不自然に垂れ下がっていましたから、現実の損傷だと思います。
 キジバトはわたしの部屋のすぐ前のベランダへもよく遊びに来ます。
 昨年は数メートル先に巣をかけて、二羽が巣立ちました。
 天敵を避けて、むしろ人間の住まい近くに巣をかけるようですね。
 巣立ちの瞬間を観ることができなかったのは残念でした。しばらく、若鳥がウロウロしていましたから、それらがきっとうちで生まれたものでしょう。

 傷ついた野生動物を見かけた場合については、ご指摘のものを参考にしながら勉強してみます。とはいえ、現実の対応はとても難しいですね。
 そうした事態への干渉そのものが生態系の頂点に立つと自認する人間の驕りではあるまいかといったことも含めて考えてみたいと思います。

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 その後、彼女の示唆にしたがって「傷ついた野鳥 岐阜」で検索した結果、岐阜県のHPの「環境」の箇所で以下の記述を見つけました。 
 まず、巣から落ちたヒナを拾わないこととあったあとの記載です。 
 
 「また、野鳥は寿命がつきる前に、他の動物に食べられたり、ケガをして命を落としたりします。野外で命を落とした野鳥が他の動物の餌になることで、命がつ ながっていきます。野生の動物は、犬や猫などのペット(愛がん動物)とは異なり、野生の中で生きていくことがストレスを感じることが少ない生き方と言われ ています(ほとんどの野鳥は人間が近づけば必ず逃げていきます。人間を恐れている証拠です。)。できる限り手を触れずに見守ってください。さらに、野生の 動物が人と獣が共通で感染する病気をもっている可能性もありますので、傷ついた野鳥を動かす場合は、直接手で触れるのではなく、手袋などをはめそっと近く の植え込み等に放していただきますようお願いします。」

 人間中心の「感傷」が生態系への「干渉」になるということもあって、なかなか難しいものだと思いました。
 ひとつ勉強になりました。
 





コメント (4)
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