ドイツ在住の畏友 K氏から、「原爆の図 丸木美術館」がこの間のコロナ禍により館存立の危機にあることを知った。ドイツ経由で知るとはうかつな話である。
その危機の内容と支援の方法などは下記のページをご覧いただきたい。私もささやかながらカンパをさせていただいた。
https://congrant.com/project/marukigallery/1587
私個人はこの東松山市にある館自体へ入ったことはないが、丸木夫妻の作品自体は巡回展などで2,3度は観ている。
近くは2017年秋、愛知県一宮市の三岸節子記念美術館での「丸木スマ展 おばあちゃん画家の夢」を観ている。この丸木スマは、丸木位里の母親で、70歳を過ぎてから位里の連れ合い俊に勧められて絵筆を執ったという異色の画家で、その自由奔放な構図と色彩はある種心地よい全身の弛緩を誘うものであった。
話が逸れたが、私の中での丸木美術館の位置づけだが、優れた芸術性を持つと同時に、戦争の負の遺産を余すところなく表現した作品を所蔵する美術館として、長野県の上田市郊外の「戦没画学生慰霊美術館無言館」と並んで決してなくしてはならない場所であると思う。
18年5月に訪れた際のもの
この間、芸術施設や芸術活動は「不要不急」とみなされ、公的な支援も薄く、危機的な状況にある。しかし、人間の生活は衣食住だけではあるまい。
一定の時期が過ぎたとき、生き延びてはみたものの、貧しく索漠とした世界に自分たちが住んでいることに気づくのではあるまいか。
そうならないためにも、ある種のアクションが必要なのだと思う。