生まれてはじめて、インフルエンザの予防接種というものをした。人に勧められたせいもあるが、「馬鹿は風邪を引かない」というこれまでの信念が揺らぎ始めたせいもある。
最初申し出たのが11月中頃で、その折は今季は既に予約でいっぱいですと言われ諦めていた。今年はとくに狭き門だという。そりゃぁそうだろう、これまで見向きもしなかった私まで申し出るのだから。
おそらくその根底には、新型コロナへの恐怖があることは間違いあるまい。
ところが先日、そのクリニックから電話があり、キャンセルが出たので今日ならできるということで出かけた。あっけないくらいすぐに終わったが、その後待合室でしばらく接種後の経過をみてから解放された。
皮肉なことだが、今年はそのインフルがとても少なくなっているのだそうだ。コロナを恐れて、手洗いやソーシャル・ディスタンスが守られているからだろう。
だとすると、私はもっとも必要性が薄い時に接種を受けたことになるのだろうか。
いやいや、普通のインフルで発熱など起こし、コロナと間違われて路傍に打ち捨てられたり、村八分にされる危険性を防ぐためにも必要だったと、いまは考え直している。