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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

田園の減少と食料自給率、そして・・・・

2021-08-10 01:27:21 | よしなしごと
 ここしばらく、わが家の周辺では田圃の宅地化、休耕田の増加などが急速に進んでいることを書き続けてきたが、そうした趨勢はどうやらこの国全体の問題らしい。
 先月末の農林水産省の公表によれば、昨年度の田圃の耕作停止は、多い県では5%にも及ぶという。

         

 日本人の主食である米の生産のこの減少は、すわ食糧危機といった感だが、これまでの米余り状況からいって、そうではないという。ただし、このように耕作地が縮小してゆくということは、食糧自給率が低下してゆくことには間違いない。
 しかし、それはそれで良いのかもしれないとも思う。

         

 かつて、食料の自給率についてはかなり厳しい見方が多かった。しかし、最近ではそうした見方も変わってきたようだ。それはおそらく、物流や分業のグローバル化と関連しているのだろう。そしてそれらは、もはや後戻りできないところまで来ているのだろう。

         

 「それはそれでいい」といったのは、そうしたグローバル化の一環としてそれぞれの国が機能しているとしたら、もはや容易に戦争を起こすことはできないということだ。
 1941年、太平洋戦争へと踏み切ったこの国は、食料自給率においてはいまより上回っていたはずである。植民地や占領地からのその供給も計算に入れていたことだろう。

         

 しかし今、あの頃のような孤立した戦時体制になったら、食料の自給は絶望的である。これを書きながら調べてみたのだが、1965年には73%だった自給率は一昨年の段階でほぼ半分の38%でしかない。
 極めて単純に考えたら、いまこの国が孤立したら、まともに食えるのは3人に1人ということになる。

 戦争に反対することをなにか気高い使命感のように考える必要はない。もっとプラグマティックに考えて、戦争になると3分の2の人間が食えなくなるからやめた方がいいでもいいではないか。

         

 とはいえ、半世紀以上前、自分が居住地として選んだこの地の環境、つまり集落が点在し、その周りに広々とした田園地帯が・・・・という自然豊かな環境が日々、オセロゲームのように居住地帯にひっくり返るのをみているのもつらいものがある。

 なんだか変な話になってしまった。

写真は田ならしをし、給水をしたけれどけっきょく耕作されなかった田の地割れの模様と食料自給率推移のグラフ。

 


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