金曜日、岐阜県美術館へ同人誌「追伸」の仲間、津田正夫さんの作品が出品されているというので観にゆく。
これまでも、津田さんの作品は3,4度観ているが、これまでは所属する絵画教室などの発表会が多かったのに対し、今回のそれは「第68回 岐阜水彩展」と伝統ある全県を対象としたもので、そのスケールも、作品のレベルもかなり違う。
第一部はこの会の会員の作品であろう。わが津田氏はこの世界ではまだ駆け出しということで第二部での出品だ。
作品は多様で面白い。水彩独自のさらっとした表現や、油彩と間違えるくらいこってりしたもの、リアル一筋から、デフォルメを施したもの、全くの抽象などなど。
津田さんのものは「夏を待つ」と題した写実風の水着の女性図である。ただし、リアルな写実ではなく、裸に近いモデルさんにシャイな津田さんが水着を着せて描いたと本人が語っている。
ド素人が上から目線で申し訳ないが、初めて観た数年前から比べて確実にその腕を上げていることは女性の肢体の表現からもわかる。この第二部から一定の作品に優秀賞がついているが、津田さんのものはその一歩手前だったようだ。
これからは私の勝手な想像だが、津田さんの右隣りの作品が「メモリー」と題して裸婦をややデフォルメして表現し、優秀賞をとっている。
ところでこの裸婦、そのポーズや津田さんの証言などからして、ひょっとして津田さんの描いたのと同じモデルさんを、横からではなく正面から描いたものではないかとも思えるのだ。
だとしたら、裸婦を正面から描かず、横に回って水着を着せた津田さんのシャイ、純情さが選を漏らした原因ではないかと思ったりもするのだ。
美術館内外の写真も添えてみた。