せっかく帰ってきたkekeと昨日も大喧嘩した。
大学に戻らないかい?と静かに言ったつもりだが、それだけはどうしてもイヤなようである。
もうじき学校の面談もあるので、先生に相談してみるつもりなんだ、と言うと、「卒業できません」なんて言うはずがない、とkekeは言う。
「本人次第だって言うよ。」
「それならやる気を出して頑張ればいいじゃないか。」
kekeはもうこの進路がイヤなんだ、と言う。
「この時代、進路や就職口を選んでいる場合じゃないんだよ。」と幾ら言っても分からない。
本人は自分の人生だから好きにさせろと言う。
ケンカになる。
まだ真夏ほどではないが、扇風機ナシで寝るのが苦痛だ。
蒸す。
もう戻る気は無いな。
戻ったところで、今の状態から変わらないだろう。
これからどうすればいいんだろう。
闇の中で考える。
正確にはkekeが考える事なのだが、考えずにはいられない。
keke曰く、人と触れ合う仕事がしたいと言う。
じゃ、それは何だ?と言っても、答えない。
父の病院で若い男の子が何人か居る。
看護士さんかと思ったら、介護職のようだ。
彼らも職がみつからなくて、やむを得ずその道を選んだのだろうか。
でも、いつもニコニコしてて、本当にいい子ばかりだ。
人と触れ合いたいとか言いつつ、介護とかはイヤなんだろう。
バカ息子め。
日曜に面会に行った時は、父は散髪をしている最中だった。
いつもと違うソファ(少しでも父の近くにいたいのか)でシアワセばあさんは待っていた。
相変わらず父の世話を朝から晩まで焼いているようだ。
一度病院の方から「違う棟に変わりますか?」と問い合わせがあったようである。
シアワセばあさんがあまりに父の後を追い掛け回すので、「家族がよく思わないのでは」と病院の方が配慮してくれたようである。
妹もしばらく考えたが、父が嫌がっている訳でなし、1人で居るより良かろうとこのままでと返事をした。
父は目がよく見えてないので、ばあさんが食事の面倒もみていてくれているようだ。
「お上品ぶって、隣の人のご飯を食べてしまう人がいるんだよ」とばあさんが言う。
「だから、私は我慢できずバカ!って怒鳴るんだ、すると看護婦さんに怒られるのは私なの。私は男みたいだからね。」
「そうなんですね。」
「看護婦さんに今に見てろって思うんだよ。負けるが勝ちってね、最後に勝つからって思ってるの。」
「あはは。」
この「負けるが勝ち」と、「今に見てろよ」と言うのは、このばあさんのポリシーのようだ。
何度かこうして聞いた事がある。
やがて父がヨチヨチ手を引かれて戻ってきた。
父も現役の時はしっかりしてた。
かなり頼れる親父であった。
ここでこうしてフラフラ歩いているじいさんも、ドライヤーを「熱いよぉ」とひっぱたいているばあさんも、現役時代があったのである。
しかも戦争経験世代だ。
そう思うと、最近尊敬の念すら感じるようになる。
うちらは一体どこまで生きていけるんだろう。
どこまで食っていけるんだろう。
ばあさんの「今に見てろよ」も、これから私の座右の銘にすることにしよう。
大学に戻らないかい?と静かに言ったつもりだが、それだけはどうしてもイヤなようである。
もうじき学校の面談もあるので、先生に相談してみるつもりなんだ、と言うと、「卒業できません」なんて言うはずがない、とkekeは言う。
「本人次第だって言うよ。」
「それならやる気を出して頑張ればいいじゃないか。」
kekeはもうこの進路がイヤなんだ、と言う。
「この時代、進路や就職口を選んでいる場合じゃないんだよ。」と幾ら言っても分からない。
本人は自分の人生だから好きにさせろと言う。
ケンカになる。
まだ真夏ほどではないが、扇風機ナシで寝るのが苦痛だ。
蒸す。
もう戻る気は無いな。
戻ったところで、今の状態から変わらないだろう。
これからどうすればいいんだろう。
闇の中で考える。
正確にはkekeが考える事なのだが、考えずにはいられない。
keke曰く、人と触れ合う仕事がしたいと言う。
じゃ、それは何だ?と言っても、答えない。
父の病院で若い男の子が何人か居る。
看護士さんかと思ったら、介護職のようだ。
彼らも職がみつからなくて、やむを得ずその道を選んだのだろうか。
でも、いつもニコニコしてて、本当にいい子ばかりだ。
人と触れ合いたいとか言いつつ、介護とかはイヤなんだろう。
バカ息子め。
日曜に面会に行った時は、父は散髪をしている最中だった。
いつもと違うソファ(少しでも父の近くにいたいのか)でシアワセばあさんは待っていた。
相変わらず父の世話を朝から晩まで焼いているようだ。
一度病院の方から「違う棟に変わりますか?」と問い合わせがあったようである。
シアワセばあさんがあまりに父の後を追い掛け回すので、「家族がよく思わないのでは」と病院の方が配慮してくれたようである。
妹もしばらく考えたが、父が嫌がっている訳でなし、1人で居るより良かろうとこのままでと返事をした。
父は目がよく見えてないので、ばあさんが食事の面倒もみていてくれているようだ。
「お上品ぶって、隣の人のご飯を食べてしまう人がいるんだよ」とばあさんが言う。
「だから、私は我慢できずバカ!って怒鳴るんだ、すると看護婦さんに怒られるのは私なの。私は男みたいだからね。」
「そうなんですね。」
「看護婦さんに今に見てろって思うんだよ。負けるが勝ちってね、最後に勝つからって思ってるの。」
「あはは。」
この「負けるが勝ち」と、「今に見てろよ」と言うのは、このばあさんのポリシーのようだ。
何度かこうして聞いた事がある。
やがて父がヨチヨチ手を引かれて戻ってきた。
父も現役の時はしっかりしてた。
かなり頼れる親父であった。
ここでこうしてフラフラ歩いているじいさんも、ドライヤーを「熱いよぉ」とひっぱたいているばあさんも、現役時代があったのである。
しかも戦争経験世代だ。
そう思うと、最近尊敬の念すら感じるようになる。
うちらは一体どこまで生きていけるんだろう。
どこまで食っていけるんだろう。
ばあさんの「今に見てろよ」も、これから私の座右の銘にすることにしよう。