きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

我ながら年賀状

2012-12-06 | 今の会社
私はみんなが帰った後に残り、一人で事務所に居た。
小さなプリンターでカカカカ・・と年賀状を一枚づつプリントアウトしていたのである。

今年は1枚60円の写真用のハガキを買って、完成写真などを入れながら我ながらきれいに仕上げているのである。
私はそれを見ながら、「うん^^」と一人満足していた。

うちの会社は年賀状用ソフトがないので、宛名は封筒に貼るラベルシールにワードの差し込み機能を使って印刷して、それをペタペタ貼っている。
(直接ハガキに印刷することもできるのだが、プリンターの調子で郵便番号がずれたりするのがイヤなのだ。)
それも既に準備ができていた。

会社の現場写真・ハガキ用の家庭用プリンターは酷使され過ぎていて、最近調子が悪く、時々カックンカックン言って、曲がってしまうことがあった。
今日はそれがなく、とても調子が良かったので、私は今日一気に印刷してしまおうと思ったのだ。

しかしもう7時半になろうとしていて、周りには誰も居ない。
末広がりに8枚づつプリントアウトしていたが、もう今日はおしまいにしよう。
あとまだ30枚ぐらい残っているけど。。。。

と、私は会社を後にした。

翌日の朝、私はちょっとだけ早起きして会社に向かった。
頭の中は年賀状モードになっていて、今日全てカタをつけてしまおうと思ったのである。
そして着替える間にも、昨日の続きをプリントアウトした。

そしてペタペタ、ラベルを貼っているとnanuさんが「年賀状っていつまでに出すんだっけ?」等と言っている。
「24日ぐらいですよ。」
「そんな早かったっけか?喪中って誰かいたっけ?」
そして、課長に「喪中ですか?」等と直接尋ねている。

さて、あと数枚となり、「あ、ここは引越しして住所が変わったんだっけ」みたいな所は手書きで宛名を書いてしまうことにした。

「やっぱり写真用インクジェットにして良かった」と私はふたたび満足げに年賀状を眺めた。

そして、その時に気がついたのである。
会社の電話番号がどう見ても間違っているのだ。

最初は自分でも信じられず「そんなバカなはずがない」と思ったが、何回見ても間違えているし、どのハガキを見ても、全て会社の電話番号が違っている。(当然と言えば当然ではあるが。)

この瞬間、私は石になり頭の後ろから、nanuさんから「この図面、○○さんに送ってくれ」と言う声が聞こえて来た。
「分かりました」と言って図面をメールで送るも、ラベルまで貼り終えた山のような年賀状を前に、私は事の重大さを隠し普段通りにしばらく過ごした。

「なぜ、今まで気付かなかったのだろう、そしてなぜこの場に及んで気付いたのか。」
そもそも年賀状の電話番号を見て電話をする人間がいるのだろうか。

でも職業柄、4年も5年も経った後で用事ができて「あ、年賀状があったっけ」と電話をする人はいるかもしれない。
「ただ今この番号は使われておりません」となったら、インターネットでも探すツールは幾らでもあるではないか。

そんな風に思いながらトイレに入って出てくると、nanuさんが「さっきのメール、宛名の字が違ってたぞ」と言い、「俺の名前で誤字を出すな、みっともない」等と言うが、私からすれば、そんなチンケな問題なんてどーでも良いことだ。

こっちは百何十枚もの年賀状全て電話番号を間違えているのだ。

このまま気付かなかったフリして、ポストに投函するか。。。
一か八かで誰も気づかないかもしれないから。。。

私はもうしばらく普段通りの顔をしていたが、いずれにせよ、この代物をまだ20日近く机の中に隠し何も知らないフリを続けるのは苦しい事態だと考え、誰か一人に「もうそれで出してもいいよ」と言われれば、この後ろめたさから逃れられると考えた。

私はフラリフラリとAさんの所へ(直線で進まず、ためらうように円を描きながら)近寄ると、指をさしながら小声で「これでもいいかしら。」と言った。
そして本来、深刻な事態に関わらず、あまりの自分のアホさ加減にここでも「ぶっ」と吹き出してしまうのだった。

「ダメでしょう。」
「・・・やはりダメですか。」
「nanu、見てよ。」
nanuさんも覗きながら「ダメだな」と言った。

「問題は、(新しく買う)金だけだろ?」
「(結局の所)そうです。」

そして私はそのまま無言で郵便局に向かった。

とぼとぼ歩いて行くなかで「あれ?書き損じのハガキって交換できたんじゃなかったっけ?」と言うことを思い出したのである。
問題は、年賀状に交換ができるかだが。。

郵便局で事情を話すと手数料15円(1枚に付き)で同じ年賀状に交換してくれるそうである。(写真用でなければ1枚5円で。)
本当に助かった!!
さすが、古き良き日本の伝統ここにあり。

郵便局の人もたまげながら「ここまでせっかく作ったのに、何が違うんですか?」と言うので、「電話番号が違ってたんですよ。」と言うと、納得してくれた。

そして、私は「こんな優しいサービスは郵便局ならではですよね。ホントに助かりました。」と言うと、「ちゃんと手数料いただいてますから。」と笑顔で答えてくれる郵便屋さんなのであった。