きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

手さぐりの幸せ/浅香光代さん

2014-04-20 | 読んだ本
さっそく浅香光代さんの「手さぐりの幸せ」を読む。

昔の本らしく小さい文字でなかなかボリュームがあるので、関心があるところから読む。
もちろん、噂の元彼、Sさんが出てくるところからである。

噂されるとおり、国会キス事件の泉山さんをかばう発言から議員さんとの縁ができ、その先生がたの中にSさんとの出会いがあったと言う。家に帰り電話を待ち、会える時間があると聞けば飛ぶように会いに行くけれど、そこにいるのはたくさんの議員の先生達。もちろん二人きりで話すことも許されず、大好きなイカの刺身をSさんは自分の分をそそっと浅香サンの前に差し出す。せっかくの京都旅行のお出かけも会えたのはたった1時間だけ。(がっかりした悲しい気持を、浅香サンは「こんな忙しいのに時間を空けてくれたんだ」と思いなおす。)

そして二人のお子さんを産むも、別れはあっけなく訪れる。
浅香サンの自宅にいたお客さんがゴロゴロ寝ているのを「男」だと思い、それきり足が途絶えるのだ。

しかし浅香サンはその後も、いろんな男に言い寄られる。いや男だけではない、いろんな魔の手が襲い掛かるのである。ある時はバクチ話に騙されたり、何かの権利書を持っていかれたり、一本気な人なので舞台を降りてしまったり・・・一時はお金も何もなくなり夜逃げ状態で男の人に助けてもらう。そこでその人とデキてしまったりするのである。
まるで平安時代の二条さんの「とわずがたり」状態である。
ある時は近所が火事だから、と急に奥さんの元に帰る彼氏にショックを受け、仕事にも身が入らなくなり、服毒とガスで自殺を試みるも幸い助かる。「死ぬなんて卑怯だよ」と言う医者に事の次第をすべて話すと、ヨシヨシと言いながら医者は言う。

「ものは考えよう。二号だの思うから腹が立つんだ。男妾でも囲っている気になってごらん。」
それから浅香サンは仕事に、舞台に燃えていくのである。

私の祖母も母子家庭で母を育てながら、いろんな男に騙されてあれこれ持っていかれたと聞いたことがあったので、一昔前はそんなものなのだと思う。女1人で劇団を背負って行くとなれば、スポンサーは大切にしなければならないし、そんな男女関係のうねりで泳いでいかなければならないこともあるだろう。何人もの社長さんにせまられる中、それこそ切った張ったで交わしたり受け入れたり助けが表れたり・・・・

こうしていろんな男達が出入りする中で、またSさんと再会。
浅香サンは選挙も気が気ではない。表立って応援する事もできず「自分の寿命をひきかえ」に当選を祈り続ける。劇団から女優へ・・仕事も駆け上がる中で、Sさんとの歩みは続く。

浅香サン、今のイメージでは女傑みたいな感じがあるが、この本を読むとむしろ「普通の女の子」、ごく普通に亭主を持ち、普通の主婦を望んでいたことが伺えて泣けてくる。
「三日でいいから、天下晴れてうちの人と呼んでみたい・・・」
この文章が何回も何回も出てくる。

Sさんの愛情を感じながらも、最後は結婚できる可能性のある(離婚しそうな?)人を選び、お別れをする浅香サン。「その男は君を裏切るぞ(考え直してくれ!)」と言うSさんの言葉どおり、裏切られ泣くことになってしまう。最後はまったく違う方と幸せになって終わっているようだが、困難とピンチの連続の半生記。

他の彼はたいていスポンサー的でお金や物で助けてくれる存在だが、このSさんだけは議員でありながら、がめつく金儲けする人ではないので、むしろ浅香サンの方がお金を出しているぐらいだと書いてある。そのぐらい清い、潔い方だったのだろうと思われる。


そして結局のところ、Sさんだが、先日コメントでいただいたとおり、椎名さんが最有力かな?と言う気がする。
生まれ年代もほぼそのように思うし、最初のお子さんは本当に自分ひとりだけで産むと決めて、Sさんにもナイショにした浅香サンが、Sさんご健在な時にこの内容の本を世に出すとはちょっと思えない。
Sさん「人形町で育ち、赤坂で遊んで・・」とあるので、小学生で上京している椎名さんともとりあえず合うような?(人形町かどうか分からないが)

「どう転んでもいい男の部類には入らないが、演説すると長谷川一夫」と書いてあるので、そんなブサイクなのか?と思って写真を見るとそうでもないところで疑問にはなるのだが。。。