昨年と違い開幕ダッシュとはいかなかった巨人ですが、エース(?)内海は開幕2連勝を果たし、ヒーローインタビューで「20勝します!」と宣言しました。
昨年の不振がよほどこたえたのでしょう。最終的には9勝しましたから、並の投手なら合格点ですが、エースとして臨んだシーズンでなかなか勝てず、シーズン終盤で最低限の目標である二桁に挑みながらそれも叶わず、チームの優勝とは別に忸怩たる思いだったのでしょう。
結果、今シーズンの自主トレでは、若手投手を先頭になって引っ張り、相当に体をいじめ抜いている様子が報道されていました。思えば、昨年もいいところまでいきながらなかなか勝てず、不運な面がありましたが、しかし、このもう少しのところで勝てないという紙一重のところは、どれだけ練習をしたか、あるいは、どれだけ練習したと自信を持てるかにかかっているんだと思います。
その点、昨シーズンの内海投手はエースと目され、多少慢心したところがあったのでしょうね。慢心というのは言い過ぎかもしれませんが、連続二桁勝利をあげたことで、ギリギリまで自分を追いつめなくなった心の甘さが原因で、紙一重の勝負をものに出来なかったということを身をもって知ったのだと思います。
内海投手の球は、球速では140km/hそこそこですが、そこにキレが出るかどうかは、やはり体のいじめて下半身を作り込んだかによるのでしょう。そういう意味で、今シーズンはしっかり体が出来て、球も切れているのだと思います。そして、この時期に「20勝します」と宣言した心意気は大いに評価したいと思います。よほどの決意がなければいえるものではありません。そして、グライシンガーが出遅れ、東野・山口もまだまだ不安定な中、内海が20勝宣言したことは、チームにとっても大きな意味があります。いかに巨大戦力を抱えていても、野球の基本はやはり守りです。そこに絶対エースがいるかどうかが大きなポイントになるからです。20勝をあげた投手は、本人のみならず、他チームからも一目も二目も置かれる圧倒的な存在です。その存在はただの主戦級投手1名ではなく、有形無形の効果があります。15勝でエースと呼ばれる最近では、岩隈久志、斉藤和巳しか20勝投手はいません。20勝というのはそれだけ難しい高い壁になっています。それをあえて口にした決意に注目したいと思います。