下馬評がどうだったのか分かりませんが、パシフィック・リーグでは、ロッテが序盤で貯金10、2位に2.5ゲーム差の快進撃を続けています。恐らく下馬評では、ダルビッシュという絶対エースを擁する昨年優勝の日本ハム、同じく涌井を擁する一昨年優勝の西武、岩隈・田中の二枚看板を擁する楽天といった順番が順当なところだったのではないでしょうか。
ところが、蓋をあけてみれば、ロッテが快進撃です。昨年との最大の違いは、バレンタインから西村に監督交代したことです。選手・ファンに慕われたバレンタインの交代は心配されましたが、杞憂に終わったようです。それから、中心選手西岡の心機一転もあるかもしれません。自慢の長髪を切り落としチームを引っ張り、井口、大松、今江、新人荻野が3割台に乗せ、チーム打率も3割前後の好調さです。
しかし、野球はやはり守りが基本です。防御率も3.5点前後で他チームの4点台に大きく差を空けています。この要因には、個々の選手のがんばりが当然あるのでしょうが、西本聖新コーチの手腕によるところも大きいのかもしれません。
だいぶ前に好きな選手として西本聖をあげました(「好きな野球選手 その2」)。西本投手は、165勝と実績は十二分ですが、一匹狼的な生き方のせいか、引退後は、評論家・指導者として目立った活躍をしていませんでしたが、今回あまり縁のないロッテのコーチに就任したのは、その実力を買われてのことなのでしょう。
大リーグ流の球数制限をしていたバレンタイン監督ですが、練習で一流に上り詰めた西本コーチにしてみれば、球数制限などちゃんちゃらおかしいといったところでしょう。そんな西本コーチに鍛えられ、人が好いだけの頼りない田舎のお兄ちゃんだった大嶺が見違える活躍で、ダル、マー君に続く防御率3位につけています。去年苦しんだ成瀬も順調、唐川もがんばっています。西本軍団の活躍にも注目したいと思います。