元巨人の桑田真澄氏が早稲田大学大学院のスポーツ科学研究科修士課程の修士論文で最優秀賞を受賞したことはニュースで大々的に報道されて知っていましたが、その内容を昨日のニュース番組の特集で知りました。
「『野球道』の再定義による日本野球界のさらなる発展策に関する研究」という題名だそうですが、270名の現役プロ野球選手にアンケートを送り、それぞれが体験してきたアマチュア野球についての意見をもとにした研究です。現役プロ野球選手にアンケートに協力してもらえるのは、現役プロ野球選手たちの尊敬を集める桑田氏ならではですが、最優秀賞を獲得したのは、単に現役プロ野球選手のアンケートを得られたからではなく、アマチュア野球の問題点を浮き彫りにするような質問を考え、そのアンケートを基に今後の方向性を示したからでしょう。
自身もPL学園、巨人という名門チームで長い野球人生を過ごし、人一倍研究熱心だった桑田氏ですから、自分なりの仮説はもっていたのだと思います。ただ、それを述べるだけでは、元プロ野球選手の野球本にしかなりません。そこで、客観的なデータを補強するためのアンケートだったわけです。
そして、桑田氏に期待したくなるのは、氏の修士号取得が単なる箔つけではないことです。自ら少年野球チームを持ち、日本の野球界を良くするにはどうしたらいいかを真剣に考えていいることです。サッカー界には川渕三郎チェアマンが登場し改革を実現したのに対し、野球界はさまざまな問題がありながらも、その場しのぎでプロアマを含めた抜本改革がなされずにきました。桑田氏は指導者としての期待もありますが、それ以上に戦略的思考をもっての球界の改革を期待してしまいます。
現実には重鎮が多いプロ球界では桑田氏はまだまだ若輩者扱いでしょうし、まだまだハードルが高いプロアマの壁はありますが、問題は「野球界を良くしたいという意思があるかどうか」です。桑田氏にはそういう意思が間違いなくあります。期待し、応援したいです!
今日のジョグ
1.6km 7分34秒