「日本の古本屋」より安い物をオークションでゲット、二冊目です。まだ手元には届いていませんけど・・・・・・・
一、在江戸の砌節齋被申聞兵助・源兵衛・拙者承申候 此比御側若き衆御叱被成候事御座候てケ様成事は外様
の侍共承たるか能く思召候 三人の者共數年被召候儀は何れも能く存たる事其上あれらは大勢咄申者
多きと被聞召候 段々咄聞せ候はゝ外様の者共心得にも可成事との御意扨々各は右の通に思召儀忝可
存候 惣躰御側方勤様銘々の志薄く或相役か何と存哉人か何と可存哉と傍輩に對おれへの志薄く思
召候抔との儀に御座候 拙者其儘申候 先以忝次第奉存候 皆共身の上に仕候て事の外難勤奉存候は見習
と御座候て平井・山川被仰付候 此頃は最早緩々御駕かけたて仕候 成程爰は私のあけ申か能く存候ても
相役の前衆控申事も多く御座候 源太も其通と存候 右の儀を承申候ては何時も相役に後に断申か唯今
より申聞く候か中々難成事に奉存候段申候へは必々御遠慮有間敷候 成程其通に勤候へと被申候 唯今存
候へは成程左様成義のみと存候 兎角何事にても御奉公實に勤候はゝ相役に申さすとも互に虚實は
存たる事相役挨拶も能く可有御座候 拙駕奉行勤申刻池邊宗川節齋に被申候は原田小右衛門・富田貞右
衛門相役にて中悪敷候段は無隠事御聞及被成候儀に御座候 就中互にはけみ申候哉數十年にて一日も
かゝし不申煩ひ申時も薬を用なから勤候様に承候 源太・傳右は前々より心安く相役に成り被申候はゝ
多分互に申合少の風にも互に養生召れ自分の用事も互に申合御門外にも折々出可被申候 脇よりは小
右衛門・貞右衛門とは替りたると可申候 併行衛永く申合被勤候はゝ却て一日もかゝし申さぬ衆同前に
可成と被申候由其時分迄は知人迄にて心安く咄申事無之候つる本より拙者心にたしなみ村井におと
らぬとの心は何その時の事常勤は年も拙者より増新参にて 御代々の事拙者の様に存申間敷候 随分
申合勤可申と存三十一歳より六十年迄同し様に勤候へともあひさつ能く勤申候心には是はと存候事
互に可有事に候へ共同し兄弟にても思ふ様になく候 侍たる者のさもしく相役よりは能く見申様に
上にも能く思召様にとは近比々々心の内に人はしるましく存ても 天明らかに候へは皆々扨も心安き
相役と申候 村井は直くなる者に候 人を何とも不存候て人に憎まれたる者に候 或時水戸様へ御供に参腰
懸に大勢咄申内に相聟の事不存候て男振申出笑候へはそなたは拙者縁者の事知りてか知らぬかなと
ゝ少迷惑仕たる事有之候 其後富田貞右衛門拙者に咄申候は御相役ケ様々々咄申に付拙者申候は曾て
不承候 又そなたは其儘たまりて居被申候哉御供の時にて双方所から悪敷候 左様の事は昔より有之事
にて少も互に武道の疵にならぬ事神以初て承候と存候はゝ其時堪忍仕たる不苦儀と思ふて其分に
て通り申候か拙者にも咄不申候 必々御沙汰御無用源兵衛承候はゝそなたを恨可申候 前々は相役にて
師道と存ても時事によりたるを却て宜く御咄候様にと存候 又御咄承候ても神以源兵衛に申聞候 拙
者にてなく候由申候 行當りたる様子にて其後拙者に一人も右の咄申たるは無御座候 原田小右衛門と
中あしく勤たる故心に拙者もぬしかことく拙者承悦可申と思ふて咄たる儀と存候 各心に可成調置申
候 相役の能は申聞悪敷事は控度存候 かけ事と申別て古人嫌ひ申候 同苗中寄合咄申事夫々の身為に成
候様にと存如此大形は我身にたしなみ不申人事はかり申候儀世の常にて候 如形咄申事數寄にてむさ
としたる咄も仕候へ共心の内に吟味いたしとかられたる事なく候 たとへ咎められても御番所か御
供先か或は大勢居候處にては尚以咎め申候はゝいや不存候由申候 迷惑いたし候 拙者も人か咄承候て
申候 扨々致迷惑候と申又返して申さは爰は所悪敷候重ての事と申心をしつめて少もせき申さぬ人は
大勇と可申候 扨堪忍成らぬと存候はゝいつにても成る事にても一座にて大勢にても其内少し心ある
者は扨々むさと仕候 せり合にて候 互に重て御吟味可有候 爰は御供先御番所又は大勢居候へは少御遠
慮可有之互に思召まゝは成申間敷と申候はゝ一座の内にて早大勇と可申候 何事にても是は事に可成
と心付候はゝ早く知る人にてなく共其時未得御意候へ共何も左様に被仰候處にて無御座と存候なと
ゝ早く挨拶仕候へは脇よりも申物にて候 度々見申候 拾人か九人はたまり見聞て跡にて何のかのと批
判仕たかり候 夫は能き侍の事なと承申さぬ男にてかけ事と申以の外嫌ひ候事に候