稲盛方式もトヨタ方式も、前回に見たように日本では普及しません。
ではどうすべきか?
答は「先に自由思考の精神土壌を耕し作る」ことです。
土壌が良ければこれら二方式のような強烈なものでなくても普及はなります。
また土壌から自由思考空間を求めるエネルギーが蒸発してくれば、
それに応じた様々な空間ができあがっていくでしょう。
<種まきのたとえ>
鍵が意識土壌にあることは、イエスの次の教えが示唆してくれています。
(「マタイによる福音書、13章3~23節)
彼は自分の言葉を種まきの種にたとえて、それが普及するための条件を次のように述べています。
(括弧内はその真意)
「種をまく人が種まきに出かけた。巻いている時道ばたに落ちた種があった。すると鳥が来て食べてしまった。
(言葉を聞いても悟らないでいると、悪いものが来てその人の心に蒔かれたものを奪っていってしまう)」
「別の種が土の薄い岩地に落ちた。土が深くなかったので、すぐに芽を出した。
しかし、日が上ると、焼けて、根がないために枯れてしまった。
(言葉を聞くとすぐに喜んで受け入れるが、自分の内に根がないため、困難や迫害が起きるとすぐに捨ててしまう)」
「別の種はいばらの中に落ちたが、いばらが伸びてふさいでしまった。
(この世の心づかいと富の惑わしとが言葉の成長をふさいでしまう)」
「別の種は良い地に落ちて、あるものは百倍、あるものは六十倍、あるものは三十倍の実を結んだ。
(ことばが悟る心に入ると何倍にも成長する)」
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イエスの言葉は、彼の地域・時代で立ち消えになることなく、今日全世界に広まっています。
それだけの「存在力」とでもいうべき力を備えているのでしょう。
右の聖句は、それが広まる前の時点で弟子たちに語られたものです。
イエスから出るような力ある言葉でさえ、普及するには良き土壌が必要になる。
この喩えは、土壌がそれほどに思想波及の決定力をもつことを示唆しているように思われます。
さすれば自由思考空間が普及するかどうかも、そういう精神土壌が培われているかどうかによって
決まっていくはず、となります。
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