家族で、ラフォーレ原宿で開かれている「個展・忌野清志郎の世界」に足を運んだ。私も清志郎のことは憎からず思っていたが、それよりもツマがファンだったのだ。
まずはレコードジャケット、ツアーのパンフやポスター、グッズ類、衣装類。写真は繰上和美、蜷川美香、平間至などの「らしい」作品が多い。
しかし何より眼と心が奪われるのは、清志郎の描いた絵だ。絵本の原画は順に観て行ってげらげら笑う。(HISの)細野晴臣や井上陽水、スティーブ・クロッパーらの似顔絵が楽しい。落書きや、子供時代の絵や、ノートもある。
何だか全部、過剰な愛に満ちている。清志郎が亡くなったことへの悲しい気持ちより、現在形の嬉しい気持ちのほうが強い。清志郎の残したものを共有することが「LOVE & PEACE」なんだな、なんて思ったりして。
清志郎が原画を描いた絵本『ブーアの森』(せがわきり・文、TOKYO FM出版、2002年)を買って帰った。原画では、パステルと絵具のぎらぎらした存在感にいいねいいねと言い合いながら観たが、印刷ではそれが随分引っ込んでいる。しかし良いものは良いのだ。少年が眼と鼻からぐしゃぐしゃと涙を流す場面なんてたまらないぞ。
選挙は帰り道に済ませた。気になってテレビに釘付けになった。皮肉は置いておいて、「チェンジ」の芽が出たことは確かなのだ。