部屋が本だのゴミだので溢れ、もうどうしようもない状態になったため、この1週間余りでバッポンテキな改造を行った。ああ汚い。スピーカーも部屋の中の通行を妨げていたので何とかうまく配置したが、そうするとケーブルの長さが足りなくなり、やむなくオーディオユニオンに足を運んだ。
これまでは、米JPS Labsの「Super Blue」という水のホースのように見えるケーブルを使っていたが、もう扱っていないという。店員と相談して、ドイツ・InakustikのLS-502というケーブルを選んだ。白と黒を組み合わせた模様で、これもスピーカーケーブルには見えない。
まずはテストしてみようと、ビル・エヴァンス『Waltz for Debby』(1961年、Riverside)を聴いてみる。ジャズ・ファンなら知らぬ者はない盤であり気恥ずかしいが、何しろ演奏が素晴らしく、録音の臨場感がただごとでないため、いまだ聴き飽きないのだ。再生してみると、今までより断然、楽器それぞれの音が主張してクリアに聴こえる。グラスの音や咳払いの声も生々しい。
次に賑々しいものを聴こうと思い、ルイ・ヘイズ『The Real Thing』(1977年、原盤Muse)を再生する。ヘイズの特徴的なシンバルが、無意味なほど風圧強く迫ってきて、これも再発見したような気になる。フロントは、ルネ・マクリーン(サックス)、ウディ・ショウ(トランペット)、曲によってスライド・ハンプトン(トロンボーン)が加わる。実はルネ・マクリーンのストイックなサックスが好きなのだ。シンバルが離脱したためもあり、管楽器がびしびし鳴って嬉しい。
ケーブルひとつでここまで変わるとは思わなかった。