晋祠は唐代の政治家とその母が祀られた場所である。宿泊したホテルから近く、夕方空いた時間に歩いて訪れた。広い敷地の大部分は後年作られたもので、親子連れなど観光客が多い。ちょうど菊祭りを開いていた。
太原は石炭と鉄が有名であり、武器や道具だけでなく、鐘、像などの製鋳技術にも優れていたことが、窪田蔵郎『シルクロード鉄物語』(1995年、雄山閣)を読むとよくわかる。この本にも紹介されている4体の鉄人像を見ることができた。宋代から後年の作まで混じっている。どれがどれだか覚えていないが、確かに、「同時に鋳造したものといってもおかしくないほどのできばえ」だった。腹に浮き出るように陽鋳された銘文は、千年も人の手によって撫でられた結果、つるつるになっている。
ここにも千年前、宋代の柏の大樹が何本も生きている。中でも目玉は、三千年前、周代の柏である。斜めに傾いていて金属で支えられており、また、部分的に枯死した箇所が補修してある。しかし、こんなものが生き残っていること自体が驚きなのだ。
※写真はすべてPentax LX、M28mmF2.0、フジPRO400による。
●山西省
○平遥
○玄中寺再訪 Pentax M28mmF2.0
○浄土教のルーツ・玄中寺 Pentax M50mmF1.4
○天寧寺
○山西省のツインタワーと崇善寺、柳の綿
○太原市内、純陽宮
○池谷薫『蟻の兵隊』
○黒酢
○白酒と刀削麺