Sightsong

自縄自縛日記

『けーし風』読者の集い(8) 辺野古・環境アセスはいま

2009-10-25 22:54:29 | 沖縄

『けーし風』第64号(2009.9、新沖縄フォーラム)の「読者の集い」に参加してきた(2009/10/24)。参加者は9人、最近にしては多めである。

特集は「辺野古・環境アセスはいま」。辺野古の似非環境アセスは、「方法書」を経て「準備書」にいたり、先日、沖縄県知事の意見が出された段階にある。本誌では、主に「準備書」の欠陥と、日本の環境アセス法の欠陥を詳細に指摘している。また、法の違法な運用に対して提訴された「違法アセス訴訟」の状況についても解説がある。訴訟について真っ当な判決が出されることは期待したいところだが、環境アセス法の見直し(来年)についても注目したいところだ。特に、来年は生物多様性条約のCOP10が名古屋で開催されるから、盛り上がる可能性はあるのではないか。


環境アセスのフロー

集会での意見は以下のようなもの。

●辺野古の沖合移動に関して、埋立量が増えるため、地元土建の利益になるという誘導がある。
●「下河辺メモ」によれば、当初米国は滑走路45mで良いとの意向であったところ、日本側(政府、名護市)が、軍民共用の1800mにしようと必要以上にすり寄った経緯がある。(※下河辺・元国土事務次官のメモ)
嘉手納統合案が唐突に再浮上してきた理由は何か。民主党でも、県外移設、嘉手納、辺野古とあえて意見を分散させておいて選択肢を残す意図があるのではないか。来年早々の名護市長選も政治利用される。
●仮に嘉手納統合案が有力になっても、地元の反発があってとても成り立たないのではないか。(爆音訴訟団が最高裁に上告中)
八ッ場ダムとも共通するが、メディアは、軍のあり方や環境影響など肝心の内容よりも、条件闘争の行方ばかりに集中する傾向がある。
宮古のレーダーサイト周辺の設備が最近充実している。伊良部島への橋ができ、輸送体制が整う。下地島の位置付けも含め、これらの動きの意味は何か。
●「親米派の対米恐怖」(新崎盛暉)は、本当に実体を伴ったものか。
●沖縄のリゾートホテル建設が止まらない。現地では、本土からの客が来てくれると思っているが、そのようなものは必ずしも求められていない。むしろツアーに組み込まれて、わずかな利益しか得られないような事態に陥るのではないか。

終わってから、久しぶりに「」に入った。沖縄そばを使ったやきそばが旨かった。

●参照
ジュゴンの棲む辺野古に基地がつくられる 環境アセスへの意見(4)
『けーし風』2009.3 オバマ政権と沖縄
『けーし風』読者の集い(7) 戦争と軍隊を問う/環境破壊とたたかう人びと、読者の集い
『けーし風』2008.9 歴史を語る磁場
『けーし風』読者の集い(6) 沖縄の18歳、<当事者>のまなざし、依存型経済
『けーし風』2008.6 沖縄の18歳に伝えたいオキナワ
『けーし風』読者の集い(5) 米兵の存在、環境破壊
『けーし風』2008.3 米兵の存在、環境破壊
『けーし風』読者の集い(4) ここからすすめる民主主義
『けーし風』2007.12 ここからすすめる民主主義、佐喜真美術館
『けーし風』読者の集い(3) 沖縄戦特集
『けーし風』2007.9 沖縄戦教育特集
『けーし風』読者の集い(2) 沖縄がつながる
『けーし風』2007.6 特集・沖縄がつながる
『けーし風』読者の集い(1) 検証・SACO 10年の沖縄
『けーし風』2007.3 特集・検証・SACO 10年の沖縄