Sightsong

自縄自縛日記

デイヴ・ホランドの映像『Jazzbaltica 2003』

2013-07-09 00:19:49 | アヴァンギャルド・ジャズ

デイヴ・ホランドのDVD、『Jazzbaltica 2003』(2003年)を観る。このように、ホランドのライヴ映像を観るのは、スティーヴ・コールマンやケニー・ホイーラーがフロントに立った『Vortex』(1986年)以来か。

Dave Holland (b)
Robin Eubanks (tb)
Chris Potter (ss, ts)
Steve Nelson (vib, marinba)
Billy Kilson (ds)

ピアノの代わりにヴァイブやマリンバを入れると空中浮遊的になる。スティーヴ・ネルソンの宙ぶらりな演奏スタイルは、泥臭さやブルースとは遠い場所にあるようで、なかなか効果的だ。(同様に、ネルソンが参加しているラルフ・ピーターソンのグループ「フォテット」も、好みである。)

何よりも、ホランドのベースが実に個性的で魅力的。リズムを下から刻むスタイルではない。むしろ、歌手のスキャットのようにも聴こえるそれは、ステージの中央でダンスを繰り広げているようでもある。

そして、同時に、メンバーのグルーヴをゆるやかに束ね、グループ全体をオーガニック化し、生き物のように内部から駆動する。何てカッコいいんだろう。

ロビン・ユーバンクスの軽やかに歌うようなトロンボーンにも聴きいってしまう。しかし、クリス・ポッターのサックスについては、実は、何が良いのかまだわからない。

●参照
カール・ベルガー+デイヴ・ホランド+エド・ブラックウェル『Crystal Fire』
ゲイリー・トーマス『While the Gate is Open』(デイヴ・ホランド参加)
ジョン・サーマン『Unissued Sessions 1969』(デイヴ・ホランド参加)