3年ぶりの沖縄。さっそく桜坂劇場に足を運び、「Sakurazaka ASYLUM 2013 -TAIWAN STYLU-」(>> リンク)の当日券を買った。
この「アサイラム」(避難所)という音楽イヴェントのことは今回まで知らなかったのだが、実は、2008年から、さまざまなミュージシャンを集めて行っている「街フェス」なのだった。今回は、台湾をフィーチャーしたというわけである。
■ 南王姐妹花(Nanwan Sisters)
台湾の「プユマ南王」の女性3人組。
宣伝に誇張はなく、よく通る美しい声だった。もちろん言葉はわからない。しかし、歌手曰く、「台湾でもわからないことが多いのです」。少数民族の村だからである。


■ マルチーズロック
那覇の栄町市場を拠点に活動しているグループである。
リーダーのもりとは栄町で「生活の柄」という居酒屋を開いており、いちど食事したことがある(>> リンク)。実はその前、2007年に、栄町市場で彼らのライヴを聴いたことがあるのだが(>> リンク)、そのときはあまり気にとめていなかった。
今回改めて聴いてみて、東ヨーロッパの旅芸人的なサウンドが印象的だった。もの哀しいメロディーと地面を踏み締めるようなリズムなのである。ヴォーカルのシャウトにはビビってしまうが、サックス、トランペット、チンドンのような太鼓、ベース、二胡という編成がまた効果的。



■ 巴奈 & Message
巴奈(Panai)は台湾のシンガーソングライター。
その声は深く響き、時に囁くようでもあり、本当に素晴らしい。ちょっと口を開けて聴いてしまった。土地を奪われた先住民の唄になると、彼女は感極まって目を潤ませた。
最後には、沖縄の島唄とエイサーを意識した曲だった。会場からは太鼓の奇妙さに笑いが起きていたが、その歩み寄りはなかなか感動的なのだった。



■ ハシケン
奄美在住。元ちとせにも詩・曲を提供しているそうだが、どの唄かな。
薄暗い「SMOKE」というバーでのライヴで、噛みしめるようなバラードも、ノリノリのロックも良かった。このバーは味卵が旨いそうで、今度は飲みに入ってみたいものだ。


■ 石原岳
沖縄県東村・高江在住。
「別館セルロイド」というバー。床には無数のエフェクターを置き、彼はそれらを絶えず手や足で操作しながら、ギターを弾く。アンビエントなノイズサウンド、こういうものは大好きなのだ。高江、やんばるだからというわけでもないだろうが、無数の生き物が蠢く森と、そこに暴力的に介入する人為とを想像してしまう。

それにしても、桜坂劇場やその周辺はとても心地いい空間だった。那覇の人が羨ましい限りだ。
時間がかぶって、ちえみジョーンズの唄を聴くことができなかったのは残念。