Sightsong

自縄自縛日記

佐喜眞美術館の屋上からまた普天間基地を視る

2013-07-31 22:32:16 | 沖縄

久しぶりに訪れた、佐喜眞美術館。那覇から90番のバスに乗って、すぐに着く。

普天間基地の一部を取り戻して作られた美術館であり、隣は普天間基地との境界を示すフェンスである。

風景は変わっていない。屋上の真下、米軍側には墓がある。滑走路は向こうの方に視える。炎天下でしばらく佇んでいると、オスプレイではなかったが、米軍機が離陸していった。


普天間基地


さらに目を凝らす


米軍機

そして視線を右側に移すと、北谷の出っ張りと、その向こうに残波岬。1945年4月1日、そこから米軍が上陸した。

少し階段を上り、さらに、慰霊の日(6月23日)を示す6段と23段。たったそれだけで、視える風景が異なる。


あの向こうから米軍が上陸した


「違反者は日本の法律に依って罰せられる」

●参照
<フェンス>という風景
基地景と「まーみなー」
宮城康博・屋良朝博『普天間を封鎖した4日間』


Sakurazaka ASYLUM 2013 -TAIWAN STYLU-

2013-07-31 08:26:18 | 中国・台湾

3年ぶりの沖縄。さっそく桜坂劇場に足を運び、「Sakurazaka ASYLUM 2013 -TAIWAN STYLU-」(>> リンク)の当日券を買った。

この「アサイラム」(避難所)という音楽イヴェントのことは今回まで知らなかったのだが、実は、2008年から、さまざまなミュージシャンを集めて行っている「街フェス」なのだった。今回は、台湾をフィーチャーしたというわけである。

■ 南王姐妹花(Nanwan Sisters)

台湾の「プユマ南王」の女性3人組。

宣伝に誇張はなく、よく通る美しい声だった。もちろん言葉はわからない。しかし、歌手曰く、「台湾でもわからないことが多いのです」。少数民族の村だからである。

■ マルチーズロック

那覇の栄町市場を拠点に活動しているグループである。

リーダーのもりとは栄町で「生活の柄」という居酒屋を開いており、いちど食事したことがある(>> リンク)。実はその前、2007年に、栄町市場で彼らのライヴを聴いたことがあるのだが(>> リンク)、そのときはあまり気にとめていなかった。

今回改めて聴いてみて、東ヨーロッパの旅芸人的なサウンドが印象的だった。もの哀しいメロディーと地面を踏み締めるようなリズムなのである。ヴォーカルのシャウトにはビビってしまうが、サックス、トランペット、チンドンのような太鼓、ベース、二胡という編成がまた効果的。

■ 巴奈 & Message

巴奈(Panai)は台湾のシンガーソングライター。

その声は深く響き、時に囁くようでもあり、本当に素晴らしい。ちょっと口を開けて聴いてしまった。土地を奪われた先住民の唄になると、彼女は感極まって目を潤ませた。

最後には、沖縄の島唄とエイサーを意識した曲だった。会場からは太鼓の奇妙さに笑いが起きていたが、その歩み寄りはなかなか感動的なのだった。

■ ハシケン

奄美在住。元ちとせにも詩・曲を提供しているそうだが、どの唄かな。

薄暗い「SMOKE」というバーでのライヴで、噛みしめるようなバラードも、ノリノリのロックも良かった。このバーは味卵が旨いそうで、今度は飲みに入ってみたいものだ。

■ 石原岳

沖縄県東村・高江在住。

別館セルロイド」というバー。床には無数のエフェクターを置き、彼はそれらを絶えず手や足で操作しながら、ギターを弾く。アンビエントなノイズサウンド、こういうものは大好きなのだ。高江、やんばるだからというわけでもないだろうが、無数の生き物が蠢く森と、そこに暴力的に介入する人為とを想像してしまう。

それにしても、桜坂劇場やその周辺はとても心地いい空間だった。那覇の人が羨ましい限りだ。

時間がかぶって、ちえみジョーンズの唄を聴くことができなかったのは残念。