ジョニー・トー『城市特警』(1998年)を観る(VHS)。かなり初期のトー作品。
香港警察のウォン警部(レイ・チーホン)は、指が痙攣して銃が撃てなくなり、もう警察を辞めようかと思っていた。辞表を出そうとした矢先に、親友の警部が殺される。捜査に乗り出すと、それは警察内部の者も関与したロシアとの麻薬取引だった。
矢継ぎ早にアクションとギャグを繰り出してくる一級のアクション。残酷な描写において工夫しようとしていることはよくわかるが、まだ、トーならではのスタイリッシュな演出はさほどみられない。
「らしい」ところがあるとすれば、カメラ好き。盗撮する男の使うカメラはキヤノンT-90である。この後、『フルタイム・キラー』ではペンタックスZ-1P、『PTU』のインタビュー映像ではツァイスイコン・ホロゴンウルトラワイド、『イエスタデイ、ワンスモア』では何かの二眼レフ、『エグザイル/絆』ではコンタレックス・ブルズアイ、『文雀』ではバルナックライカとローライ二眼レフ、『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』ではポラロイドSX-70といった具合。
レイ・チーホンは『男たちの挽歌』に登場する裏切り者か、悪くない。
●ジョニー・トー作品
○『名探偵ゴッド・アイ』(2013)
○『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013)
○『高海抜の恋』(2012)
○『奪命金』(2011)
○『アクシデント』(2009)※製作
○『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009)
○『スリ』(2008)
○『僕は君のために蝶になる』(2008)
○『MAD探偵』(2007)
○『エグザイル/絆』(2006)
○『エレクション 死の報復』(2006)
○『エレクション』(2005)
○『ブレイキング・ニュース』(2004)
○『柔道龍虎房』(2004)
○『PTU』(2003)
○『ターンレフト・ターンライト』(2003)
○『スー・チー in ミスター・パーフェクト』(2003)※製作
○『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001)
○『フルタイム・キラー』(2001)
○『暗戦/デッドエンド』(1999)
○『ザ・ミッション 非情の掟』(1999)