Sightsong

自縄自縛日記

イングリッド・ラウブロック『Zurich Concert』

2014-09-22 08:56:28 | アヴァンギャルド・ジャズ

イングリッド・ラウブロック『Zurich Concert』(Intakt、2011年)を聴く。

Ingrid Laubrock (ss, ts)
Mary Halvorson (g)
Tom Arthurs (tp)
Ted Reichman (acc)
Liam Noble (p)
Ben Davis (cello)
Drew Gress (b)
Tom Rainey (ds, xyl)

聴きどころはたくさんあって、聴けば聴くほど面白さがにじみ出てくる。

ラウブロックのサックスの音範囲は広く、力強い。メアリー・ハルヴァーソンのギターにも、テッド・ライヒマンのアコーディオンにもしっかりと見せ場がある。トム・レイニーのドラムスも、どすどすしゅととと、と、音楽全体を揺り動かす。

・・・のではあるけれど、トータルにはダークな雰囲気なこともあって、漫然と聴いていてはきっとつまらない。ナマで立ち会うことができたなら、この演奏には、きっと興奮するに違いない。それぞれの動きや力の入れ具合を想像しながら聴くから面白いのだ。

イングリッド・ラウブロック、NYC、2014年6月

●参照
イングリッド・ラウブロック、メアリー・ハルヴァーソン、クリス・デイヴィス、マット・マネリ @The Stone
イングリッド・ラウブロック(Anti-House)『Strong Place』
メアリー・ハルヴァーソン『Thumbscrew』
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Electric Fruit』
ウィーゼル・ウォルター+メアリー・ハルヴァーソン+ピーター・エヴァンス『Mechanical Malfunction』


ウディ・アレン『マンハッタン』

2014-09-22 07:13:39 | 北米

ウディ・アレン『マンハッタン』(1979年)を観る。前回ヴィデオを借りてから、ゆうに20年は経っている。

スノッブな饒舌、夜も昼もない都市の生活、孤独、馬鹿馬鹿しくて苦しい恋愛、強迫観念。こういうものに弱い。もしかしたら、初めて観た学生のとき以来、この映画が妄想するものに、多少なりともわたしも支配されてきたのではないかと思えてしまうほど、刺さる。

冒頭にグッゲンハイム美術館の螺旋が登場し、雑踏を見せられ、「Rhapsody in Blue」、「But not for Me」、「Embracable You」などのガーシュインの名曲を聞かされては、また敢えて勘違いをするためにマンハッタンに行きたくなるというものだ。