Sightsong

自縄自縛日記

ニューヨークの麺

2015-04-06 05:30:35 | 北米

ニューヨークに到着したら雪が降っていた。想定外に寒かった。もっとも冬の寒さはこんなものではなかったようだが。

もう、ラーメン屋を探すしかないのだ。と一度決めたら、麺ばっかり。やはり『美味しんぼ』での栗田さんの説のように、アジア人は本能的に麺に向かう。

■ 一風堂

最近アメリカ進出が大きな話題になっている。日本だけの話かと思ったら寒空の下この行列。東京で何度も食べたので入らないが、味は同じなのかな。

 

■  Nam Son (ベトナム料理)

もう寒くて寒くて汁麺ならばと思い、チャイナタウンのベトナム料理屋に入った。

普通のフォー・ボー。ハノイで食べるより牛肉の量が多い。旨かったがライヴに遅れそうになった。

■ Wok 88(アジア料理、アッパーイースト)

Udonという名の焼うどん。ちょっと油っぽかったが懐かしい感じの味。

そういえば、汁もののうどん屋はあるのかな。剛腕投手の伊良部がアメリカのどこかで経営していたのは、うどん屋ではなかったか。

■ Naruto Ramen(アッパーイースト)

前を通りがかるたびに人が順番待ちをしていた。

黄色くコシのある麺に鶏ガラのスープ(みんなチキンブロスと呼ぶ)。普通に旨い日本のラーメンである。半熟卵にもう少し熟練が欲しいが、それは望みすぎか。チャーシューが厚い。

つい餃子まで付けてしまった。向こう側でタレを入れてくれるので、待っている間に、自分で醤油と酢とラー油をブレンドする楽しみはない。

店員はアラーム付きできびきびと麺をゆでたり餃子を焼いたりしている。

 

■ Yasha Ramen(アッパーウェスト)

デューク・エリントン通りの近くにある。豚骨味(ポークブロス)、頼むとすぐに出てきた。細麺が柔らかいのはこちらの嗜好に合わせているのだろうか。今後は「バリカタ」とか流行ったりして。

■ Dassara Ramen(ブルックリン)

カタカナで「ダツサラ」とか書かれている。脱サラした方が始めたのかどうか不明だが、ちょっと独創的だった。

「デリラーメン」なるものを注文すると、チキンブロス(ブロスと書くと昔スワローズにいた投手を思い出してしまう)のスープに、セロリ、グリルした牛肉、さらにマッシュポテトの団子(これは合わないと思う)。麺が柔らかすぎたが好みによるだろう。やはり課題は半熟卵の作り方か。今後ニューヨークに進出するラーメン店は、バッチリした半熟卵を供すると差別化できるに違いない。

大相撲湯呑で水を飲んでいると不思議な気分。

■ Meijin Ramen(アッパーイースト)

牛骨スープ(ビーフブロス)の麺を注文したところ、予想以上にテイストが牛牛していた。ついでにミニカレーを付けた。

せっかく旨いのに、入りにくい雰囲気のせいか客が少なかった。

■ Ivan Ramen(ロウワーイースト)

あの有名店アイバンラーメンである(日本で食べたことがないので違いがわからない)。完全にバーの作りで、奥に個室まであり、みんな酒を飲んでいる。夜中にラーメンだけ食べるのは申し訳ない感じ。

塩ラーメンを食べた。チキンブロスと魚介系のダブルスープで、わたし的には嬉しい。もう少し熱ければよかった。やはり半熟卵が(以下略)。

■ Gong(タイ料理)(アッパーイースト)

こじゃれたタイ料理屋。タイであろうとどこであろうと、わたしはいつもパッタイを食べる。タイ料理であれば必ずあり、まずい味にはなりようがないからだ。当然、予想通り旨かった。

■ Momofuku Ramen(イーストヴィレッジ)

やややわらかめの麺に、ほぐしチャーシューに、角煮。近所にあったらしょっちゅう通う味だろうね。やはり順番待ちが多かった。温泉卵がユニークだがやはり半熟卵のほうが(以下略)。

■ Ramen-ya(グリニッジヴィレッジ)

グレッグ・ハッチンソンのライヴがソールドアウトで入れず、ふて腐れてラーメン。去年もここにあったっけ?

すべて豚骨ベースの塩や醤油や味噌(と、日本人の店員さんが教えてくれた)。この界隈のライヴハウスに行くときにはぜひ。

●参照
ニューヨークのハンバーガー、とか
ラーメンは国境を超える(笑)
旨い札幌(2)(すみれ)
「らーめん西や」とレニー・ニーハウス
今田敬一の眼(五丈原)
北海道版画協会「版・継承と刷新」、杉山留美子(えぞっ子、雪あかり)
「屯ちん」のラーメンとカップ麺
「東京の沖縄料理店」と蒲田の「和鉄」
海原修平写真展『新博物図鑑』(凪)
海原修平写真展『遠い記憶 上海』(凪)
「ますたに」のラーメンとカップ麺
博多の「濃麻呂」と、「一風堂」のカップ麺
恵比寿の「香月」
齋藤徹による「bass ensemble "弦" gamma/ut」(ひごもんず)
18年ぶりくらいの「荻窪の味 三ちゃん」
沖縄そば(2)
沖縄そばのラーメン化
伊丹十三『タンポポ』、ロバート・アラン・アッカーマン『ラーメンガール』
旨いジャカルタ その4(カレーラーメン)
旨いハノイ(「フォー24」)
ミャンマーの麺
韓国冷麺
上海の麺と小籠包(とリニア)
北京の炸醤麺、梅蘭芳
中国の麺世界 『誰も知らない中国拉麺之路』


ジョニー・トー(21) 『単身男女2』

2015-04-06 01:14:19 | 香港

機内では、ジョニー・トーの最新作『単身男女2』(2014年)も観ることができた。

実はこの下敷きになっている『単身男女』を観ていないのだが、それでも巧妙に前作のプロットを取り込んでいるので問題はない。

何股もかける恋多き色男。その元カノは、「火星人」と呼ばれる男と結婚しようとしている。彼女が憧れる女上司は、癖しかないようなその男ふたりに結婚を申し込まれる。もうハチャメチャ。

登場人物たちが働くオフィスが入った高層ビルが向かい合って建っており、ジェスチャーで色恋の合図をしまくる工夫なんて、さすがのジョニー・トーである。隣り合う工夫はオフィスだけでない。色男は元カノのことが忘れられずかつて彼女がいたアパートに住んでおり、彼女は同じ部屋に戻ろうとしたら塞がっていたので、それと知らず隣の部屋に住んでいたりする(『ターンレフト・ターンライト』に似たような設定があった)。

色男はロッククライミングが得意。岩登りをしながらプレゼントを渡したり、さらには、元カノの結婚を阻止すべく高層ビルをよじ登っていく。いうまでもなく、『卒業』の高層ビル版である。この過激な無意味さこそトーの真骨頂。

●ジョニー・トー
『城市特警』(1998年)
『ザ・ミッション 非情の掟』(1999年)
『暗戦/デッドエンド』(1999年)
『フルタイム・キラー』(2001年)
『デッドエンド/暗戦リターンズ』(2001年)
『PTU』(2003年)
『ターンレフト・ターンライト』(2003年)
『スー・チー in ミスター・パーフェクト』(2003年)※制作
『ブレイキング・ニュース』(2004年)
『柔道龍虎房』(2004年)
『エレクション』(2005年)
『エレクション 死の報復』(2006年)
『エグザイル/絆』(2006年)
『僕は君のために蝶になる』(2007年)
『MAD探偵』(2007年)※共同監督
『スリ』(2008年)
『アクシデント』(2009年)※制作
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009年)
『奪命金』(2011年)
『高海抜の恋』(2012年)
『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013年)
『名探偵ゴッド・アイ』(2013年)


ヤン・オーレ・ゲルスター『コーヒーをめぐる冒険』

2015-04-06 00:55:00 | ヨーロッパ

ヤン・オーレ・ゲルスター『コーヒーをめぐる冒険』(2013年)。

一応は飽きずに最後まで観たけれども。どうしても、ダメ男が出てくる映画は(それが自分に似ている要素があろうとなかろうと)、胸が痛くなるか苛々するか。この映画はその両方だった。何が「自分探し」だ。

それに原題の『OH BOY』が、なぜこの邦題になるのか。ポップなコメディでもなんでもないし。


クリストファー・ノーラン『インターステラー』

2015-04-06 00:36:50 | アート・映画

飛行機の中で、いまさらながら、クリストファー・ノーラン『インターステラー』(2014年)を観る。

いや面白い面白い。明らかに、スタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』をギンギンに意識した作品であり、オマージュらしき箇所も散見される。要はどんな面白い作品を創ろうと、なかなか歴史を変えるような映画にはならないのだ。

そういえば、劇中で重要な役割を果たす腕時計がハミルトン。ユーザーとしてはちょっと嬉しかったりして(もっとも、見えたのは「Khaki」であり、わたしの「Jazzmaster」とは違う)。

それはともかく、マシュー・マコノヒーで宇宙といえば、ロバート・ゼメキス『コンタクト』(1997年)をどうしても思い出してしまう。ずいぶんと色男からワイルド化したものだね。