クリス・ライトキャップ『Epicenter』(clean feed、2013年)を聴く。グループ「Bigmouth」による何作目かにあたる。
Chris Lightcap (b, g, org)
Craig Taborn (p, org)
Tony Malaby (ts)
Chris Cheek (ts)
Gerald Cleaver (ds, perc)
何度繰り返しても、包まれてまた逃げられるような、フシギな音楽だ。しかも全員のプレイが特筆すべきものだという・・・。
ライトキャップのベースは柔らかくウォームであり、クレイグ・テイボーンのオルガンは奇跡的になにかの境界を超えて拡がる。それに対しジェラルド・クリーヴァーの鋭いドラムス。
ここではテナーサックスがふたり。クリス・チークの甘酸っぱい音色はわかりやすいものだが、それよりも、トニー・マラビーのわけのわからない存在感こそが脳を揺らす。ガジュマルの樹のように表面のマチエールが豊かで、無数の気根の陰に妖精が潜んでいる。
●参照
Farmers by Nature『Love and Ghosts』(テイボーン、クリーヴァー)
クリス・ポッター『Imaginary Cities』(テイボーン)
『Rocket Science』(テイボーン)
デイヴ・ホランド『Prism』(テイボーン)
Book of Three 『Continuum (2012)』(クリーヴァー)
ジェレミー・ペルト『Men of Honor』(クリーヴァー)
The Bloomdaddies @55 bar(チーク)
クリス・チーク『Blues Cruise』
フィリップ・ル・バライレック『Involved』(チーク)
スティーヴ・スワロウ『Into the Woodwork』(チーク)
ポール・モチアンのトリオ(マラビー)
ダニエル・ユメール+トニー・マラビー+ブルーノ・シュヴィヨン『pas de dense』
トニー・マラビー『Scorpion Eater』、ユメール+キューン+マラビー『Full Contact』
トニー・マラビー『Adobe』、『Somos Agua』
トニー・マラビー『Paloma Recio』
クリス・デイヴィス『Rye Eclipse』、『Capricorn Climber』(マラビー)
ジェシ・スタッケン『Helleborus』(マラビー)