ガイ+クリスペル+リットン『Deep Memory』(Intakt、2015年)を聴く。
Barry Guy (b, composer)
Marilyn Crispell (p)
Paul Lytton (perc)
ヒューイ・オドナヒュー(Hughie O'Donoghue) というイギリスの画家の作品をモチーフにして、絵の1枚ずつを曲にした作品集。ライナーノートに7曲それぞれの絵が掲載されており、イギリスのターナーのように風景の中に色彩が消え入るようでもあり、また、モローやベックリンのような世紀末絵画的でもあり。
作曲はすべてバリー・ガイの手によるものであり、確かにオドナヒューの絵とシンクロさせながら聴くと物語的である。そんなイメージはなかったのだが、意外にもかれのベースは柔らかいものだった。
マリリン・クリスペルのピアノは、耽溺するほどの怖ろしい雰囲気はないけれど、絵の世紀末的・耽美的な雰囲気にとても合っている。そしてポール・リットンのシンバルの繊細なことといったら。
マイラ・メルフォード『life carries me this way』が、画家ドン・ライヒの作品をモチーフにしたソロピアノ集だったが、このようなコンセプトアルバムもいいものである。
●バリー・ガイ
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
マッツ・グスタフソン+バリー・ガイ『Frogging』(1997年)
マリリン・クリスペル+バリー・ガイ+ジェリー・ヘミングウェイ『Cascades』(1993年)
●マリリン・クリスペル
マリリン・クリスペル+ルーカス・リゲティ+ミシェル・マカースキー@The Stone(2015年)
「ニューヨーク、冬の終わりのライヴ日記」(2015年)
ゲイリー・ピーコック+マリリン・クリスペル『Azure』(2011年)
ルイス・モホロ+マリリン・クリスペル『Sibanye (We Are One)』(2007年)
マリリン・クリスペル『Storyteller』(2003年)
マリリン・クリスペル+バリー・ガイ+ジェリー・ヘミングウェイ『Cascades』(1993年)
ペーター・ブロッツマン
エバ・ヤーン『Rising Tones Cross』(1985年)
映像『Woodstock Jazz Festival '81』(1981年)
●ポール・リットン
ネイト・ウーリー『Seven Storey Mountain III and IV』(2011、13年)