アーチー・シェップ『Mama Too Tight』(Impulse!、1966年)。これもずっとCDで聴いてきたものだが、運良く、アナログのオリジナル盤(ステレオ)をわが物にした。
Archie Shepp (ts)
Tommy Turrentine (tp)
Grachan Moncur III (tb)
Roswell Rudd (tb)
Howard Johnson (tuba)
Perry Robinson (cl)
Charlie Haden (b)
Beaver Harris (ds)
『The Way Ahead』について驚いたのと同様に、やはり、音のフラグメンツがCDとは違うアナログ盤の実力を証明している。
管を何本も、特に低音を震わせるトロンボーン(グレイシャン・モンカー3世とラズウェル・ラッド)、チューバ(ハワード・ジョンソン)を入れることによって、サウンドがひたすら分厚いものとなっている。それも、さほど緊密にアンサンブルを指定しないことにより、それぞれの音の力が野性的に発揮されているように聴こえる。
曲はどれも素晴らしく惚れ惚れする。A面の「A Portrait of Robert Thompson」においてはグチャグチャの中からシェップのブルースが浮上し、静かに「Prelude to a Kiss」を吹き始める瞬間なんて最高である。B面でも「Mama Too Tight」が賑々しく祝祭のように展開され、一転して「Theme for Ernie」を味わい深く吹きながらも、やがて自らカオスの渦を創り上げていくシェップ。そうか、「Ernie」とはアーニー・ヘンリーのことだったのか。
●アーチー・シェップ
ヨアヒム・キューン『Voodoo Sense』(2012年)
アーチー・シェップ+ヨアヒム・キューン『WO! MAN』(2011年)
アーチー・シェップ『Tomorrow Will Be Another Day』(2000年)
アーチー・シェップの映像『I am Jazz ... It's My Life』(1984年)
イマジン・ザ・サウンド(1981年)
アーチー・シェップ『The Way Ahead』(1968年)
アーチー・シェップ『The Way Ahead』 その2(1968年)
サニー・マレイのレコード(1966、69、77年)
ロヴァ・サクソフォン・カルテットとジョン・コルトレーンの『Ascension』(1965、95年)
『Jazz in Denmark』 1960年代のバド・パウエル、NYC5、ダラー・ブランド(1962、63、65年)
セシル・テイラー初期作品群(1950年代後半~60年代初頭)