ジェラルド・クレイトンを2枚、『Two-Shade』(Emercy、2009年)と、『Life Forum』(Concord、2013年)。
Gerald Clayton (p)
Joe Sanders (b)
Justin Brown (ds)
Gerald Clayton (p, Fender Rhodes, org, vo)
Gretchen Parlato (vo)
Sachal Vasandani (vo)
Ambrose Akinmusire (tp)
Logan Richardson (as)
Dayna Stephens (ts)
Joe Sanders (b)
Justin Brown (ds)
Carl Hancock Rux (spoken word)
といっても、実は、クレイトンが目的ではない。何度この上品で巧いピアノを聴いても、何が他の人にない個性であり、脳と心にどのような痕跡を残してくれるのか、まだかけらも見出せないでいる。芸が細かいし良いなと思ったこともあるのだが。ピアノトリオ『Two-Shade』でも、一見野心的に見える『Life Forum』でも(なんでみんなをショーケースに閉じ込めて個性を殺すのだろう)。
巷の言説のように、かれはナントカとナントカをつなぐシーンの最重要人物であり、ナントカとナントカにも参加していて信頼されていてうんぬんと言えば、それらしく座席を見つけられるのかもしれないが。
それよりも目当てはジャスティン・ブラウンのドラムスである。肉体をフルに使ったものでありながら、身体を縛り付けるものがまるで無いかのように、軽々と跳躍し、空中浮遊して演舞を続けているようだ。ぜひいちどは演奏を生で観てみたい。
●ジェラルド・クレイトン
デイナ・スティーブンス『I'll Take My Chances』(2013年)
デューク・エリントンとテリ・リン・キャリントンの『Money Jungle』(1962、2013年)
●ジャスティン・ブラウン
アンブローズ・アキンムシーレ『The Imagined Savior is Far Easier to Paint』(2014年)
パスカル・ルブーフ『Pascal's Triangle』(2013年)
デイナ・スティーブンス『That Nepenthetic Place』(2010年)
アンブローズ・アキンムシーレ『Prelude』(2008年)