Sightsong

自縄自縛日記

アーチー・シェップ『The Way Ahead』 その2

2017-01-21 10:18:06 | アヴァンギャルド・ジャズ

アーチー・シェップ『The Way Ahead』(Impulse!、1968年)。

シェップの吹き込みのうち偏愛するひとつだが、最近、運よくアナログ盤を入手した。しかもオリジナル盤である。それ以来こればかり聴いている。

Archie Shepp (ts)
Jimmy Owens (tp)
Grachan Moncur III (tb)
Walter Davis, Jr. (p)
Ron Carter (b)
Beaver Harris (ds #1,2)
Roy Haynes (ds #3,4)

感想はCDについて書いたとおりなのだが、何しろ、CDと比較して音の生々しさが段違いに凄い。冗談抜きで、生肉とフリーズドライくらいの違いがある。わたしのさほどでないオーディオ機器でもそうなのだ。インパルスのアナログ盤の実力を思い知らされた。

ロイ・ヘインズのシンバルはかまいたちのように切れそうに迫ってくるし、ウォルター・デイヴィスJr.のピアノも臨場感たっぷりだ。そしてシェップのテナーはまさにそのあたりで涎を垂らしながらブロウしているようだ(これは実際にそうなのだ、わたしはアサガオの真下でひやひやした)。1曲目のロン・カーターのイントロからはじまる部分、吹き始める前のシェップの息遣いの迫力といったらない。

●アーチー・シェップ
ヨアヒム・キューン『Voodoo Sense』(2012年)
アーチー・シェップ+ヨアヒム・キューン『WO! MAN』(2011年)
アーチー・シェップ『Tomorrow Will Be Another Day』(2000年)
アーチー・シェップの映像『I am Jazz ... It's My Life』(1984年)
イマジン・ザ・サウンド(1981年)
アーチー・シェップ『The Way Ahead』(1968年)
サニー・マレイのレコード(1966、69、77年)
ロヴァ・サクソフォン・カルテットとジョン・コルトレーンの『Ascension』(1965、95年)
『Jazz in Denmark』 1960年代のバド・パウエル、NYC5、ダラー・ブランド(1962、63、65年)
セシル・テイラー初期作品群(1950年代後半~60年代初頭)


中平穂積写真展『Jazz Giants』@Bar十月

2017-01-21 09:50:52 | アヴァンギャルド・ジャズ

新宿ゴールデン街のBar十月で、中平穂積さんの写真展『Jazz Giants』を観る。

これまで何度も目にした作品もあるのだが、オリジナルプリントは良い。しかも、「DUG」のある新宿である。ママによれば、前の日に中平さんがいらしたそうであり、実はその場でたいへんな決定がなされた。それが何かを知りたい者は十月に行くしかないのだ。

逆光で真っ黒となったサン・ラのぬっとした姿。思索的なセシル・テイラー。大汗をかいたスーツ姿のセロニアス・モンク。渋谷の雑踏を歩くモンク。テナーを大きく持ち上げて吹くジョン・コルトレーン。愉しそうなチャールス・ロイド(ちょうど、ロイドのライヴ後に、かれと中平さんがハグするところを目撃したばかりである)。文字通り歴史のひとコマ、ひとコマばかりだ。

この夜、三番街のカフェアルルから十月へと行き、その後、同行のNさんと別れて、ひとり裏窓でもう少し飲んで浅川マキの録音を聴いた。新宿はやはり好きな街。

●参照
中平穂積『JAZZ GIANTS 1961-2002』