カマシ・ワシントン『Harmony of Difference』(Young Turks、-2017年)を聴く。
Kamasi Washington (ts)
Ryan Porter (tb)
Dontae Winslow (tp)
Cameron Graves (p)
Brandon Coleman (key)
Miles Mosely (b)
Ronald Bruner Jr. (ds)
Tony Austin (ds, perc)
Truth:
Rickey Washington (fl)
Terrace Martin (as)
Thundercat (b)
Matt Haze (g)
Nick Mancini (vib)
Paul Cartwright, Chris Woods, Jen Simone, Tylana Renga (vln)
Molly Rogers, Andrea Whitt (viola)
Peter Jacobson, Artyom Manukyan (cello)
Thalma De Freitas, Taylor Graves, Doctor Dawn Norfleet, Patrice Quinn, Jimetta Rose Smith, Dexter Story, Dustin Warren, Steven Wayne, Mashica Winslow (choir)
本盤はミニアルバムゆえ千円程度と廉価だが、充実している。曲と曲の間はうまく橋渡しがなされ、また最後に「Truth」という大編成の曲をもってきて、通して聴くとドラマチックだ。アンサンブルは凝っているし、ロナルド・ブルーナー・ジュニアのフィルインやブランドン・コールマンの彩豊かなキーボードなどなかなかカッチョいい。
それではカマシ・ワシントンのテナーはというと、塩っ辛く、ソウルフルで、悪くない。・・・のだが、すべては「」付きである。「塩っ辛い」はしょっぱい、「ソウルフル」はソウルフルなふるまい。アンサンブルも同じであり、これならばその時代に自律的に出てきたアーチー・シェップを聴くほうが百倍マシである。あるいは先人の影響を受けながらも自分自身の音を放つヨニ・クレッツマーのほうが百倍まっとうである。
つまり前作『The Epic』と同じく、悪くないけどどこかで聴いたような音楽。サンダーキャットがさあ、とか固有名詞の羅列はどうでもよい。