Sightsong

自縄自縛日記

ダニー・マッキャスリン『Blow』

2018-10-21 23:27:12 | アヴァンギャルド・ジャズ

ダニー・マッキャスリン『Blow』(Motema Music、-2018年)を聴く。

Donny McCaslin (ts, fl, alto fl, cl)
Jason Lindner (syn, p, wurlitzer)
Tim Lefebvre (b)
Jonathan Maron (b)
Nate Wood (b, ds)
Mark Guiliana (ds)
Zach Danziger (ds)
Steve Wall (wurlitzer, drum programming, g)
Ryan Dahle (g, mellotron, vo)
Ben Monder (g)
Jeff Taylor (vo)
Gail Ann Dorsey (vo)
Sun Kil Moon (vo)

変わっているようでいてマッキャスリンはマッキャスリン。ヴォーカルと曲想によるポップな感覚は前からのものだし、エフェクトの多用もそれに貢献している。

その中でマッキャスリンはさまざまなフレージングと音色をハイテクで駆使し、それをフラットに展開する。フラットということは自己完結のドラマではないから、マインドが外に開かれたものなのだ。

いや~、カッチョいいな。超素敵。こういうの大好き。

ドラマーは三者三様なのだが、マーク・ジュリアナが登場すると、ビートをすべて人力で切り開いていくようでグッとくる。

●ダニー・マッキャスリン
デイヴィッド・ビニーと仲間たち@Nublu(2017年)
マリア・シュナイダー・オーケストラ@ブルーノート東京(2017年)
ダニー・マッキャスリン『Beyond Now』(2016年)
デイヴィッド・ボウイ『★』(2015年)
ダニー・マッキャスリン@55 Bar(2015年)
ダニー・マッキャスリン『Fast Future』(2014年)
ダニー・マッキャスリン『Casting for Gravity』(2012年)
フローリアン・ウェーバー『Criss Cross』(2014年)
マリア・シュナイダー『The Thompson Fields』(2014年)
マリア・シュナイダー『Allegresse』、『Concert in the Garden』(2000、2001-04年)
 


ゲイリー・バートン+スティーヴ・スワロウ『Hotel Hello』

2018-10-21 22:34:32 | アヴァンギャルド・ジャズ

ゲイリー・バートン+スティーヴ・スワロウ『Hotel Hello』(ECM、1974年)を聴く。

Gary Burton (vib, org, marimba)
Steve Swallow (b, p)

ここではスティーヴ・スワロウはベースだけでなくピアノも弾いているのだが、どちらにしても、過剰にエモーショナルでエロチックでセンチメンタルで変態的なテイストが漂うことが面白い。もちろんスワロウのベースの音が出てくるとそれは唯一無二、なんだか自分が罪深いような気がして発狂しそうになる。ゲイリー・バートンの透明感あるヴァイブもそのようなテイストに聴こえるのはなぜだろう。

最初にベースを弾くタイトル曲も良いし、カーラ・ブレイの名曲「Vashkar」でもバートンのオルガンをバックにスワロウ色だらけのベース、なんというかもう。

●ゲイリー・バートン
ゲイリー・バートンのカーラ・ブレイ集『Dreams So Real』(1975年)

●スティーヴ・スワロウ
スティーヴ・キューン『Jazz Middelheim 2015』(2015年)
カーラ・ブレイ『Andando el Tiempo』(2015年)
カーラ・ブレイ+アンディ・シェパード+スティーヴ・スワロウ『Trios』(2012年)
チャーリー・ヘイデンLMO『Time/Life』(2011、15年)
スティーヴ・スワロウ『Into the Woodwork』(2011年)
ケニー・ホイーラー『One of Many』(2006年)
ポール・モチアン『Flight of the Blue Jay』(1996年)
日野元彦『Sailing Stone』(1991年)
ゲイリー・バートンのカーラ・ブレイ集『Dreams So Real』(1975年)
アート・ファーマー『Sing Me Softly of the Blues』(1966年)
ポール・ブレイ『Complete Savoy Sessions 1962-63』(1962-63年)


種まき種まかせ 第2回ー秋の手-@Ftarri

2018-10-21 09:30:30 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarriで、「種まき種まかせ」というインプロの企画(2018/10/20)。

Kokichi Yanagisawa 柳沢耕吉 (企画, g)
Jumpei Ohtsuka 大塚惇平 (笙)
Chiho Suzuki 鈴木ちほ (bandoneon)
Yusuke Kawamura 川村祐介 (tp)
Hideo Ikegami 池上秀夫 (b)

2回の演奏が対照的な面白さがあった。

最初は柳沢さんが微かな弦の音を出してゆき、誰が最初に反応するかと見ていると、ちほさんが合図を出すかのように蛇腹でエアの音を出した。そして笙とコントラバスが続く。池上さんは弓の先でこそぎ、また手のひらで弦を叩くという、間合いを体現したようなプレイ。川村さんは「その時」を待っているのかなかなか動かず、それがまた緊張感を付加していた。柳沢さんがカセットテープで蝉の鳴き声を再生し、息の通り道ができた。

セカンドセットでは、逆に、最初から全員が音を重ね合わせる。笙とバンドネオンがポルタメントでドローンを形成し、さらに、川村さんのトランペットも変化を付けてその中に混じる。池上さんのプレイはまたユニークで、弓で弦を叩くのだが、半分力を抜いており、弦からはじき返される力と弦に当てる力とが奇妙なバランスを取って、偶然的な音の群れを出した。それぞれの楽器の音は消しあうことなく、違いが際立つものとなった。

終わりは示し合わせて一本締め。演奏後、それを演奏前にすることとの違いや、「よーおっ」と掛け声を入れないことの意味などについて、なぜか座ったまま反省会をしていた。

Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●大塚惇平
ユーラシアンオペラ東京2018(Incredible sound vision of Eurasia in Tokyo)@スーパーデラックス(2018年)
即興パフォーマンス in いずるば 『今 ここ わたし 2017 ドイツ×日本』(2017年)
齋藤徹ワークショップ「寄港」第ゼロ回@いずるば(2017年)

●鈴木ちほ
impro cats・acoustic@なってるハウス(2018年)
鈴木ちほ+荻野やすよし(solo solo duo)@高円寺グッドマン(2018年)
鳥の未来のための螺旋の試み@ひかりのうま(2017年)
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
晩夏のマタンゴクインテット@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
北田学+鈴木ちほ@なってるハウス(2017年)
りら@七針(2017年)
齋藤徹+類家心平@sound cafe dzumi(2015年) 


後藤篤+レオナ@國學院大學

2018-10-21 09:04:28 | アヴァンギャルド・ジャズ

國學院大學に足を運び、屋外での後藤篤・レオナ初デュオ(2018/10/20)。はじめて来たのだが、駅から結構遠く、コミュニティバスを使った。

Atsushi Goto 後藤篤 (tb)
Reona レオナ (tap)

大学見学に来たと思しき親御さんや小さな子どもたちが見つめ、強風が吹き荒れるなかでのパフォーマンス。

「The Great Pretender」で賑々しくはじめ、次は、レオナさんによると「18時間飲み続けて中野坂上の電柱に頭をぶつけた」(?)という経験から作られた「電柱」。山あり谷あり跳躍ありという展開となると、トロンボーンの音色が急にユーモラスなものに聴こえてくる。次の「Smile」ではレオナさんの小から大への動きなどが目を引いた。最後は「Take the "A" Train」。後藤さんのぶりぶりと加速するような音があり、そして、途中の何度も繰り返す旋律が奇妙にも変えられ、そのたびにソロ交換のようにレオナさんの踊りに視線が移る面白さ。

Fuji X-E2、XF60mmF2.4、7artisans 12mmF2.8

●後藤篤
原田依幸+後藤篤@なってるハウス(2017年)
後藤篤『Free Size』(2016年)
秘宝感とblacksheep@新宿ピットイン(2012年)
『blacksheep 2』(2011年) 

●レオナ
晩夏のマタンゴクインテット@渋谷公園通りクラシックス(2017年)
板橋文夫+纐纈雅代+レオナ@Lady Jane(2016年)
板橋文夫『みるくゆ』(2015年)