Sightsong

自縄自縛日記

スティーヴ・コールマン『Live at the Village Vanguard vol.1 (The Embedded Sets)』

2018-10-06 21:06:19 | アヴァンギャルド・ジャズ

スティーヴ・コールマン『Live at the Village Vanguard vol.1 (The Embedded Sets)』(Pi Recordings、2017年)を聴く。

Steve Coleman (as)
Jonathan Finlayson (tp)
Miles Okazaki (g)
Anthony Tidd (b)
Sean Rickman (ds)

一聴してファイヴ・エレメンツは変わらないのだなと思ったりもしたが、いやそうでもない。変わらないのは研ぎ澄まされているということである。

複雑なリズムと繰り返しのファンクとが巧妙に組み合わされており、それゆえにいつまでも聴いていられる。スティーヴ・コールマンはヴィブラートや表現のための強弱を排して変拍子とファンクの中を強く遊泳する。ふと若い時代のリー・コニッツを思い出しもしたがどうか。そして逸材ジョナサン・フィンレイソンは生真面目にコンポジションとインプロヴィゼーションを構築し、その生真面目さによってサウンドに突破力を与えている。

●スティーヴ・コールマン
スティーヴ・コールマン『Morphogenesis』(2016年)
スティーヴ・コールマン『Invisible Paths: First Scattering』(2007年)
スティーヴ・コールマン+デイヴ・ホランド『Phase-Space』(1991年)
シンディ・ブラックマン『A Lil' Somethin', Somethin'』(1980年代後半~90年代前半)

●ジョナサン・フィンレイソン
スティーヴ・コールマン『Morphogenesis』(2016年)
ジョナサン・フィンレイソン『Moving Still』(2016年)
メアリー・ハルヴァーソン『Away With You』(2015年)
ジョナサン・フィンレイソン+ブライアン・セトルズ@6BC Garden(2015年)
ジョナサン・フィンレイソン『Moment & the Message』 (2012年)

●マイルス・オカザキ
メアリー・ハルヴァーソン『Paimon: Book Of Angels Volume 32』(2017年)
ジョナサン・フィンレイソン『Moving Still』(2016年)
ジョナサン・フィンレイソン『Moment & the Message』 (2012年)


マーク・リボー『Spiritual Unity』

2018-10-06 08:58:40 | アヴァンギャルド・ジャズ

マーク・リボー『Spiritual Unity』(Pi Recordings、2004年)。持って聴いてもいるのだが、昨年、ヘンリー・グライムスご夫人のマーガレットさんがくださった中に入っていた。そんなわけで何度も聴いている。

Roy Campbell (tp, pocket tp)
Marc Ribot (g)
Henry Grimes (b)
Chad Taylor (ds)

そして主役はやはりヘンリー・グライムスなのだ。最初から最後までエネルギーを切らせることなく重い地響きを鳴らし続ける。ここまで独特のコントラバスが支配的なアルバムはそうはない。

もちろんこのメンバーのアルバート・アイラー集であり、見せ所ばかりである。マーク・リボーは縦横無尽であり、アイラーならではのコミュニティ曲に貢献するところ、ユニゾンなどはグッとくる。「Bells」の冒頭におけるアメリカーナ的なソロも良い。ロイ・キャンベルの音が妙に素朴に聴こえるのもアイラー曲だからか。チャド・テイラーはつかず離れず、全体に火花をまぶしている。

●マーク・リボー
マーク・リボー(セラミック・ドッグ)@ブルーノート東京(2018年)
マーク・リボー(セラミック・ドッグ)『YRU Still Here?』(-2018年)
ロイ・ナサンソン『Nearness and You』(2015年)
マーク・リボーとジョルジォ・ガスリーニのアルバート・アイラー集(2014年、1990年)
ジョン・ゾーン『Interzone』 ウィリアム・バロウズへのトリビュートなんて恥かしい(2010年)
製鉄の映像(2)(ジョゼフ・コーネル『By Night with Torch and Spear』(1940年代))

●ヘンリー・グライムス
マタナ・ロバーツ「breathe...」@Roulette(2017年)
ヘンリー・グライムス『Solo』
(2008年)
「KAIBUTSU LIVEs!」をエルマリート90mmで撮る(2007年)
US FREE 『Fish Stories』(2006年)
ヘンリー・グライムス『Live at the Kerava Jazz Festival』(2004年)
マーク・リボーとジョルジォ・ガスリーニのアルバート・アイラー集(1990、2004年)
スティーヴ・レイシー『School Days』(1960/63年)

●チャド・テイラー
「JazzTokyo」のNY特集(2018/7/1)
チャド・テイラー『Myths and Morals』(-2018年)
ジェームス・ブランドン・ルイス+チャド・テイラー『Radiant Imprints』(JazzTokyo)(-2018年)
ジェイミー・ブランチ『Fly or Die』(-2017年)
シカゴ/ロンドン・アンダーグラウンド『A Night Walking Through Mirrors』(2016年)
ヨニ・クレッツマー『Five』、+アジェミアン+シェイ『Until Your Throat Is Dry』(JazzTokyo)(2015、16年)
エリック・レヴィス『In Memory of Things Yet Seen』(2014年)
ジョシュア・エイブラムス『Represencing』、『Natural Information』(2008-13年)
ブッチ・モリス『Possible Universe / Conduction 192』(2010年)
マーク・リボーとジョルジォ・ガスリーニのアルバート・アイラー集(1990、2004年)
Sticks and Stonesの2枚、マタナ・ロバーツ『Live in London』(2002、03、11年)

●ロイ・キャンベル
ウィリアム・パーカー『Essence of Ellington / Live in Milano』(2012年)
アダム・レーン『Oh Freedom』(2009年)
『Tribute to Albert Ayler / Live at the Dynamo』(2008年)
ダニエル・カーター『The Dream』、ウィリアム・パーカー『Fractured Dimensions』(2003、06年)
マーク・リボーとジョルジォ・ガスリーニのアルバート・アイラー集(1990、2004年)
ウィリアム・フッカー『LIGHT. The Early Years 1975-1989』(1975-89年)