ハービー・ハンコック『Chicago 1981』(Hi Hat、1981年)を聴く。発掘シリーズ、ヴァイナル。
Herbie Hancock (p)
Buster Williams (b)
Tony Williams (ds)
Wynton Marsalis (tp)
本盤の録音日は不明ながら、名盤『Quartet』や『Velden 1981』と同じ年の演奏である。
ウィントン・マルサリスはこのとき19歳か20歳。最近ではさらにかれのことを褒める人がいなくなっているような気がするが、いや確かにその理由は十分あるのだが、それでも良いものは良い。完璧にコントロールされて、パワーがあるのに抑制が効いていて、その結果音を摘まむように聴こえて、とても色気がある。吹きっぱなしの下品なものでないし、抑制してしょぼいものでもない。しかも余力と余裕があって遊んでいたりもする。特に「The Eye of the Hurricane」(上の2枚でも演奏)を聴くとケチのつけようがない。
さらに『Quartet』と同じく「The Sorcerer」や「Round Midnight」を演奏しているし、トニー・ウィリアムスの名曲「Sister Cheryl」を聴いてもウォレス・ルーニーなんぞとの格の違いがよくわかる。
たしかにバスター・ウィリアムスの軽いベースはダサいけど、まあいいじゃないか。時が時ならもの凄く持て囃されていたに違いない発掘盤。古くさいのかな。古くさいんだろうな。まあいいじゃないか。
●ハービー・ハンコック
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