研究者のTさんと新宿のギャラリーをハシゴ。
■ 松下初美『ディアベイビーナナ』(ギャラリー蒼穹舎)
ヘルシンキで撮られた日常のスナップ。ハーフ版カメラにネガカラーを使っており、画面中心だけピントが合っていて周辺は流れぼやけている。滲み、くすんでいて、夢のようである。なんでも、ゴールデンハーフというトイカメラを使ったということだ。
■ 川島千鳥(コニカミノルタプラザ)
台湾で撮られた「カワイイ」写真。梅佳代に続く系譜を描くことができるのかな。確かに巧い。Tさんによれば、ニコンF6にネガカラーを使っているようだ。
■ 石川竜一(コニカミノルタプラザ)
川島小鳥とともに木村伊兵衛賞を受賞しており、川島コーナーの奥に石川コーナー。沖縄出身であり、すべて沖縄で撮られている。いきなりハッセルブラッドにデジタルバックを使い始めたという。しかも人物に向かい合ってストロボ一発。
これが凝視すればするほど怖い。怖くて、そしてヤバすぎる。あまりにもリアルである、ということは、すべてに死の影がへばりついており、観る側にもそれは伝染する。森山大道が嫉妬したという話もわかる気がする。
■ サクガワサトル『A Sign Bar』(コニカミノルタプラザ)
宜野湾市普天間飛行場そばのバーで撮られた写真群。こんな暗いところでクリアーにとらえられるのはデジタルならではだ。