沖縄市のギャラリー・ラファイエットに足を運び、比嘉良治『砂浜にのこり、歌にきざまれた人びとの夢・沖縄』を観る。
サンゴとは不思議なもので、褐虫藻という植物プランクトンがサンゴの細胞中に棲み、光合成によるエネルギーをサンゴに与えつつ、自らは安全な場所にいてサンゴの排泄物をもらうといった関係が成り立っている(本川達雄『サンゴとサンゴ礁のはなし』)。その生命の痕跡がサンゴ礁のかけらである。
今回、写真家の比嘉良治さんが沖縄芝居の北島角子さんのことばとのコラボレーションによって創った写真集は、そのような生命の家々のポートレートなのだった。ひとつひとつを仔細に見つめると、可愛らしい生き物が笑っていたり呆然としていたりしているようで、実に面白い。この写真のことを聞いたときには首を傾げたのだが、いや見事である。
このあと、那覇のライヴハウス寓話で四方山話をしているとき、ちょうど今朝の新聞に出ていたとこの写真の話題になった。鞄の中に入っていた写真集を紐解きながら、面白いなあ不思議だなあ、と。
●参照
比嘉良治&北島角子『砂浜にのこり、歌にきざまれた人びとの夢・沖縄』出版祝賀会
比嘉良治『海と岩の語りを読む・琉球列島』
理系的にすっきり 本川達雄『サンゴとサンゴ礁のはなし』