下北沢のApollo(2019/4/21)。
Tokutaro Hosoi 細井徳太郎 (g)
Koki Matsui 松井宏樹 (as, ss)
Katsumasa Kamimura 上村勝正 (b)
Raiga Hayashi 林頼我 (ds)
この日のテーマは細井さんによれば「赤子が生まれるまで」。ファーストセットは受精まで、セカンドセットは妊娠と出産なのだと微笑みながら話している。もはや冗談と真面目の領域がどうでも良くなっている。
モンクの「Bye-Ya」「Misterioso」からはじまった。ソプラノサックスのあとの太いギター、ノーリミットで叩き押さえるようなドラムス、いきなり異世界であり面白い。細井さんの泡立つようなギター(ビニールで弦を押さえてもいた)、それに続きバブルが大きくなる松井さんのアルト。細井さんのオリジナルでは全員が息をあわせてマッドマックスとなり爆走する。松井さんのソプラノは槍のようであり、アルトはときに寂寥を感じさせる。このサックスの感覚は次の曲でもあって、音の立ち上がりに聴き惚れる。林さんは派手に花火をぶち上げる。
セカンドセット、冒頭のモンクの「Criss-Cross」では、一転して、狂気を感じさせるソプラノソロからはじまった。次は「Trinke Tinkle」だったか、全員が回転しながらクレイジーな様相を強めていく。上村さんは一貫して独特のノリでサウンドを下から煽り前に進めている。「I See Your Face Before Me」では、ギターがキーボード的な音を出し、ブラシがあちこちで鼠花火のように火花を散らしまくる。この中でゆったりと吹くアルトが次第にドラマを創出していく。最後はコルトレーンの「Dear Load」であり、なめらかさも違和感も感じさせるアルトがあらためてとても良い。ギターはいまだわけがわからない。
Fuji X-E2、XF35mmF1.4
●細井徳太郎
ヨアヒム・バーデンホルスト+シセル・ヴェラ・ペテルセン+細井徳太郎@下北沢Apollo、+外山明+大上流一@不動前Permian(2019年)
合わせ鏡一枚 with 直江実樹@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2019年)
SMTK@下北沢Apollo(2019年)
伊藤匠+細井徳太郎+栗田妙子@吉祥寺Lilt(2018年)
●上村勝正
今村祐司グループ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その3)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
●林頼我
永武幹子+加藤一平+瀬尾高志+林ライガ@セロニアス(2018年)
林ライガ vs. のなか悟空@なってるハウス(2017年)
森順治+高橋佑成+瀬尾高志+林ライガ@下北沢APOLLO(2016年)